ひらたクリニック

ひらたクリニック

MENU

ブログ

blog

胆嚢腺筋症とは

こんにちは。

またまた寒気が流れ込み寒さが厳しくなっています。年末に向けて食べる量も増えてくると胃腸の調子が悪くなる場合もありますので、気にしつつ楽しみながら食べたいものです。

今回は腹部エコーで見つかることがある疾患の一つ『胆のう腺筋腫症』です。

ぜひ見てみてください。

胆のう腺筋腫症とは

胆のうの壁が通常よりも分厚くなる病気です。

胆のう腺筋腫症の方の胆のう壁の内部には、RAS(ロキタンスキー・アショフ洞)と呼ばれる袋状の空間が存在しています。そしてRASは増大し、増殖する特徴を持っています。そして病変の場所やその広がりから、大きく3つに分けられます。

限局型(底部型)

胆のうの底部を中心に、風船状の袋(憩室)が発生した状態です。

びまん型(全般型)

胆のう全体に憩室が発生している状態です。

分節型(輪状型)

胆のう全体や頸部を中心に憩室が発生し、胆のうの内部が狭くなっている状態です。

症状

無症状で経過し、特有の症状がないことが多いです。腹部超音波検査などで偶然発見されることが多く、胆のう内や、胆のう壁に結石(胆石)を伴い胆のう炎を発症すると、右上腹部の違和感や痛み、吐き気、腹部膨満感などを伴うことがあります。

診断

主に画像検査で行われ、特に腹部超音波検査が最も簡便で有効な検査法です。RASの増生により肥厚した胆のう壁内に小さな袋状の無エコー領域として抽出されますが、壁内に結石を伴ったり、RAS自体の多重反射によりコメット様エコーと呼ばれる高エコー像として抽出されたりすることがあります。

胆のう壁が肥厚するため、胆のうがんとの鑑別診断が必要になり、EUS検査(超音波内視鏡)、CT検査、MRI検査、ERCP検査(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)などを行う場合があります。また、胆汁中の細胞検査を行う場合や血液検査でCA19-9やCEAなどの腫瘍マーカーを参考にすることもあります。

治療

胆のう腺筋腫症の診断がなされても無症状の場合には積極的な治療は必要ありませんが、胆のう結石や胆のう炎を伴い、腹痛などの症状を認める場合には胆のう摘出術の適応となります。また、胆のう癌との鑑別診断が困難な場合にも手術を行うことがあります。

手術方法には通常の開腹手術により胆のう摘出術と腹腔鏡を用いた腹腔鏡下胆のう摘出術があります。どちらを選択するかは、胆のう壁肥厚や胆のうの炎症の程度により判断することとなります。胆のう腺筋腫症のみであれば、手術後の予後は良好です。

 

いかがでしたか?超音波検査で偶然発見されることが多い胆のう腺筋腫症ですが、発見後も無症状なこともあり放置されがちです。経過観察により定期的に状態を確認していくことをお勧めします。当院では胆のう腺筋腫症の方は半年に一度の腹部超音波検査を受けられることをお勧めさせていただいています。

ご不安やご心配なことがある場合は、一度ご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ

pagetop