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胆のう炎とは

こんにちは。

2月も中旬を過ぎると、暖かい日や寒い日の繰り返しで油断ができませんね。まだまだコロナやインフルエンザが流行っていますので、体調を崩さないように気をつけたいものです。

さて今回は、1月22日に胆のう結石症についてお伝えしましたが、胆のう結石が原因のひとつとされている『胆のう炎』についてお伝えします。ぜひ見てみてください。

胆のうとは

胆のうは肝臓の下にある洋ナシ型をした袋状の肝臓で作られた胆汁を濃縮貯蔵しておく臓器です。

胆のう炎とは

胆のうに炎症が起こる病気です。炎症にも急性と慢性があります。

急性胆のう炎の多くは胆のう結石(以下、胆石とします)によって胆汁の流れが滞ることによって発生し、急性胆のう炎が続くと、慢性胆のう炎となり痛みの発作を繰り返すことがあります。

胆のう炎は胆石がある場合に起きやすくなり、40歳以上の中高年や女性に多いことが知られています。

原因

先にお伝えしていた通り、胆のう炎には急性と慢性があります。急性胆のう炎のほとんどが胆石が原因です。胆石は胆汁のコレステロール濃度が高くなることなどによってでき、胆石ができると胆汁の流れが滞り、そこに細菌感染が起こると胆のう炎を発症することがあります。

その他、急性胆のう炎のうち無石胆のう炎は、大きな手術、外傷、やけど、長期間の栄養点滴などをきっかけに起こることが多く、寝たきりの患者や集中治療中の患者に起こりやすいです。

慢性胆のう炎は急性胆のう炎に引き続いて起こることがあり、炎症によって胆のうの壁が厚くなることで引き起こされると考えられています。

症状

胆のう炎の主な症状は、右上の腹部やみぞおちあたりの腹痛です。腹部に生じる痛みの特徴やそのほかの症状は、胆のう炎の種類によって異なります。

検査・診断

胆のう炎は、症状と血液検査、画像検査(超音波検査、CT、MRIなど)に基づいて診断されます。

血液検査や一般的に行われる画像検査だけで診断ができない場合は、胆道シンチグラフィー検査と呼ばれる画像検査が行われることもあり、特に無石胆のう炎の診断に有用であるとされています。

上記のほか、肝臓の機能を評価するために肝機能検査が行われることもあります。

治療

胆のう炎の治療には初期治療、胆道ドレナージ、胆のう摘出術があります。特に急性胆のう炎の場合はなるべく早い段階で胆のう摘出術を行いますが、症状や合併症によっては症状が落ち着いてから手術を行うこともあります。

初期治療

まず食事を止め、水分と電解質を点滴で補いながら炎症を抑える処置を行います。胆のう炎の炎症の多くは細菌感染によるものであるため、抗菌薬を投与し、痛みがある場合は鎮痛剤の投与を行います。

胆のう摘出術

胆のうを取り出す手術です。お腹に小さな穴をあけて腹腔鏡と呼ばれる器具を用いる腹腔鏡下手術と、お腹を開いて行う開腹手術があります。

胆のう炎では初期治療で症状が落ち着いても、胆のうを取り出さなければ再発する頻度が高いといわれており、なるべく早い段階で胆のう摘出術を行うことが一般的です。ただし、無石胆のう炎では、胆道ドレナージを行えば胆のう摘出術を行わなくても再発頻度は低いといわれているため、胆のう摘出術を行わないこともあります。

胆道ドレナージ

胆管に細いチューブを通し、たまった胆汁を体外に排出する治療です。鼻からチューブを入れる方法と、皮膚の上から針を刺し、肝臓を通してチューブを入れる方法があります。

 

いかがでしたか?胆のう炎は痛みや発熱を伴い急激に状態が悪化する場合もあります。胆石がある場合は特に注意が必要となります。腹部エコーや腹部CTで胆石があると指摘されている方は、定期的に腹部エコーなどの検査を受けられることをお勧めします。また、気になる症状がある時は遠慮なくご相談ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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