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消化管の働き 第4回『小腸』

今年もあっという間に桜の季節になりました。きれいに桜が咲いていますが、すぐに散ってしまうのでしょうね。

もったいないです。

今回は、消化器官の働き第4回目『小腸』の働きについて説明しました。良かったら最後まで見てみてください。

食物の分解と吸収

小腸では、栄養素の吸収が行われます。

小腸は6~7mにもおよぶ管状の臓器です。小腸はさらに十二指腸、空腸、回腸とに分けられます。小腸の内腔には指のような形をした絨毛が無数に存在しており、その面積は200㎡にも及びます。200㎡といえば、120畳敷きの大広間に相当します。腸管では、腸管内だけでなく、膜消化といって膜の部分でも消化が起こるので、栄養素が広い面積から効率よく吸収されます。

十二指腸の多彩な動き

十二指腸乳頭(ファーター乳頭)というところには、膵臓からきた膵管と肝臓、胆のうからきた総胆管が合流して開口しています。十二指腸には食物塊と膵液や胆汁を混ぜ合わせ、消化、吸収を助けるだけでなく、消化の中継点のような役割を果たしています。食物塊が十二指腸に入ると、十二指腸の粘膜に存在する特殊な内分泌細胞からはホルモンが分泌されます。S細胞からはセクレチンが、I細胞からはCCK-PZ(コレストキニン-パンクレオザイミン)といったホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、膵液や胆汁、腸液の分泌を促進したり、小腸運動を盛んにしたりします。十二指腸が見張り番のようになって、消化に関係する臓器に『食べ物が来たぞ!』と触れ回っているようです。

膵液が変える腸管内のpH

胃から十二指腸に移行した食物塊は、胃酸の働きにより酸性になっていますが、十二指腸に移るとpHは5~6に変わります。

胃酸が強い酸性であるのみ対して、膵臓から分泌される膵液は酸水素ナトリウムを含み、強いアルカリ性になっています。十二指腸の次に位置する空腸になるとpHは6~7、さらに回腸に進むとpHは8程度になります。このようなpHの変化で、異なる消化酵素の働きが活発になり、消化が促進されます。

栄養と食欲

食欲は大切な本能です。食欲がなければ生きていけません。神経性食思不振症、拒食症という病気があります。若い女性に多い病気です。痩せたいという思いですっかり物を食べなくなり、極度の栄養障害に陥ります。

一方、肥満は重大な現代病です。栄養の取りすぎや運動不足が関係しています。胃の中がからになると、飢餓感を感じます。そして、食事をし、胃が膨れ栄養素が血内に入ると飢餓感が薄れ、満腹感が出てきます。つまり、血中のブトウ糖濃度が上がると、満腹度がでてきます。

早食いする人は、食物が消化されない間に、どんどんと物を食べてしまいます。食物がようやく消化吸収され、ブドウ糖の血中濃度が上がり満腹度が出たときには、すでに食べすぎてしまっているというわけです。

心理的な要因も重要です。心配事や悲しいことがあると食欲もでません。逆が『やけ食い』です。ストレスにさらされて、それほどおなかも空いていないのに、どんどんとものを食べてしまいます。その結果、太ってしまうのです。

いったん太ってしまうと、痩せるのは大変です。痩せるのを妨げる原因の一つに脂肪酸があります。痩せるためには、身体の中の脂肪を減らさなければなりませんが、脂肪は代謝されると脂肪酸に分解されます。この脂肪酸は中枢に働き食欲を出す作用があるので、またものを食べてしまうというわけです。

食欲は、人間が生きていくために必須のものです。食欲がないのも、ありすぎるのも、大きな問題を起こしてしまいます。適切な食欲を保つためには、健全な精神と正しい生活習慣が大切です。

 

いかがでしたか?日頃、小腸を意識することはないと思いますが、毎日、私たちのために消化と吸収を頑張ってくれています。その点で、規則正しい食生活を心がけたいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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