ブログ
blog
blog
こんにちは。
今日はクリスマスですね。また年末年始は美味しい食事が多く、食べ過ぎる事が多い時期になります。
皆さんは「食後に横になるとウシになる」という話は聞いた事がありますか?
今日は牛になる話をしたいと思います。
良かったら最後までお読みください。
食後に横になるとウシになってしまうから、食後に寝転がったりしないで、立っていたり、座っていたりしなさいと言う事の様です。
おばあちゃん子であったため、よくこの様な話を聞いていましたが、マナーとしての注意か、しつけの一種か、食後の片付けを手伝えという事の様に思っていました。
人間は野菜に含まれるセルロースを分解する酵素を持っていないため、セルロースは消化されずに、吸収もされずに便として排出されます。
実はウシもセルロースを分解する酵素を持っていません。でも、「ウシって草を食べるよね?」と思ったあなた、その通りです。
ウシは胃が4つもあり、その胃の中にセルロースを発酵、分解する微生物を住まわせています。口の中でクチャクチャと混ぜて柔らかくした食べものを胃へと送り込み(咀嚼)、胃で発酵、分解したものをまた口に運んで、咀嚼します。この口と胃の間を行ったり来たりする事を「反芻(はんすう)」といい、草(セルロース)をすりつぶして吸収できる様な状態にするのです。
消化器内科で診察する病気の一つに「逆流性食道炎」という病気があります。胃酸が食道に逆流する事で炎症を来す病気です。
胃は胃酸に対して粘液を分泌して粘膜を保護しているのですが、食道は胃酸から粘膜を守る手段をもっていないため、胃酸がかかると炎症を起こしてしまいます。そのため、食道と胃の間に逆流を防止するために、巾着袋のヒモみたいなものがあるのですが、加齢や肥満、その他の原因により、きちっと締まらなくなり、食道に胃酸が逆流しやすくなるのです。
蓋の緩んだペットボトルをイメージしてください。
ペットボトルに水が半分入った状態でも立っていれば、蓋が緩んでも水はこぼれません。つまり、食後、立っていれば(座っていれば)、胃酸は食道にこぼれません。
では、蓋の緩んだペットボトルを水が半分入った状態で横に倒したらどうでしょう?
あるいは、水が満タンになった状態でペットボトルを横に倒したら?
同じように人間も食後すぐに横になると、胃酸は逆流し、少量の食事の時より、お腹いっぱい食事をした方が、大量に逆流します。
この胃の内容物が逆流するという現象はウシの「反芻(はんすう)」とよく似ています。
ただし、人間の場合は逆流した胃酸は食道で炎症を起こし、胸やけやむかつき、胸痛、人によっては咳、のどのイガイガ感などの症状を引き起こします。
昔の人は「食後に横になるとウシになる」といって逆流性食道炎を予防する教訓としていたのかもしれません。
最後までお読み頂きありがとうございました。