2月になると寒い日や暖かい日があり、体調管理が難しくなりますが、皆さんお変わりないでしょうか？

インフルエンザも流行っているのでお気をつけくださいね。今回は、診察日に採血をお伝えしたり、次回に採血がありますとお伝えさせていただくことがあると思います。その時、絶食のほうがいいのか、食後でもいいのか、判断に困ることがありますよね？

そんな血液検査に関する疑問の声をいただいたので、それにお答えしようと思いブログを更新しました。ぜひ見てみてください。

血液検査前に絶食が必要な理由

健康診断や人間ドックでの血液検査は、空腹状態で行うことが一般的です。なぜなら、食後の血糖値は上がりやすいため空腹状態で採血を行います。

食事をすると食べた物が食道を通って胃や十二指腸で消化、分解された後、小腸で栄養として吸収されます。この時、糖分はブドウ糖として血管内に取り込まれるため、血液中の血糖値・中性脂肪の値が上昇します。空腹の状態で採決をした場合、血糖値は110mg/dl以下が基準範囲です。しかし、食後に血糖値が上がりやすいため基準値以上の値が出てしまうことがあります。正確な検査結果が出ず、実際の健康状態を把握することが難しくなるため、血液検査前には食事を摂らずに空腹状態で採血されることが望ましいとされています。

血液検査前の絶食の時間について

食事をした後の上昇した血糖値は、食べ終わってから2時間程度で空腹時と大体同じ状態へ戻ります。しかし、中性脂肪は空腹時と同じ値に戻るまでに10時間以上かかります。そのため、血液検査で『空腹時採血』と指示されている場合には、一般的に『検査前日の夕食後、12時間以上絶食した状態が望ましいとされています。

血液検査前に飲食できるもの・できないもの

採血時は空腹状態が望ましいですが、検査までの時間に水分は摂取してもよいと言われています。ただし、摂ってもよいものは味のついていない水・お茶のみで、牛乳やクリームなど脂肪分が多い物や砂糖・甘味料などの糖分を含む飲料は飲まないようにしましょう。また、食事については血糖値が上がるため、口にしないようにしましょう。

また、中性脂肪は食事の影響を受けます。前日にうなぎや焼肉などの脂質が多いものを食べたりすると中性脂肪が上昇することがありますので採血前日は脂質の多いものは避けた方がよいと言えます。

薬も抜かないといけないのか？

採血では薬も検査の数値に影響を及ぼすことがあります。そのため、本来は服薬せずに検査を受けることが望ましいです。しかし、心臓病や高血圧など薬を飲まないことで悪化する病気も多くあります。検査前に服薬してよいかどうかについては自分で判断せず、事前に医師や医療機関へ相談しておくようにしましょう。

糖尿病の場合の絶食の影響

糖尿病は、血中の血糖値が高くなる病気です。そのため、血糖値を下げる薬を飲んでいたりインシュリン注射を常用している場合は、何も食べない状態で薬を服用したりインシュリン注射を打つことにより血糖値が下がりすぎてしまい『低血糖』になる恐れがあります。

低血糖を引き起こすと気分が悪くなったり、堪え難い空腹感やひどい時には意識を失うこともあり大変危険です。絶食が必要な検査を受ける際には、通常であれば糖尿病治療薬は服用しないように指示されます。

採血後の止血について

採血の後に、出血して衣類を汚してしまったり、採血の痕が青く腫れてしまったという方もいると思います。これは、採血部位を押さえる止血時間が短かったり、採血後すぐに採血した腕で重たい荷物などを持つ事により起きています。

採血後、採血部位を指で押さえることを『圧迫止血』といいます。圧迫止血する時間はだいたい5分程度です。ただし、血液をサラサラにするお薬を飲まれている方は10分以上の圧迫止血が必要です。

当クリニックでは自分で押さえることが困難な方や、血液をサラサラにしているお薬を飲まれている方には止血バンドをお貸ししています。止血バンドは会計時に回収させていただいていますが、まれに回収を忘れてしまい、巻いたままご帰宅されている方がいらっしゃいます。

現在、止血バンドの個数が減っている状態です。止血バンドを巻いたままご帰宅された時は、次回の受診時にご持参いただけると大変助かります。ご持参よろしくおねがいします。

 

いかがでしたか？正確な血液検査値を調べる場合は、朝絶食で午前中に起こしください。

また糖尿病と脂質異常症の方はできれば絶食で来ていただいた方がいいです。

糖尿病の方は絶食で来られた場合、低血糖を起こすといけないので朝の薬は飲まずに来院してください。帰宅後食事をされてから薬を飲むようにしてください。

夕診時に採血をさせてもらう時は、昼食を早めに摂取していただき、採血までの時間が４時間以上開くようにしてください。

絶食で来院後の待ち時間が長くなるのを避けたい場合は、診察の１週間前に採血だけでご来院いただいてもかまいません。その場合は医師にご確認ください。また、必ずしも空腹時での検査でなくても大丈夫な項目もあります。ご不明な時はお尋ねください。

最後までお読みいただきありがとうございました。