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急性膵炎ってご存じですか?今回は急性膵炎について説明していきたいと思います。
膵臓の働き
膵臓は胃の裏側にあり、肝臓の下にある15~20㎝程度の大きさの臓器です。この膵臓の大きな働きは消化酵素を分泌する事(膵液:外分泌物質)と、血糖コントロールをするホルモンの分泌(インスリン:内分泌液)があります。
膵炎とは
膵炎とは膵臓が分泌する膵液に膵臓自体がやられていまい、炎症を起こす病気です。急性膵炎を繰り返し起こしていると、いずれ慢性膵炎に進行していきます。慢性膵炎にまで進行すると元に戻りませんので、進行しないように治療を進めていきます。今回は急性膵炎について説明しますので、慢性膵炎はまたの機会に説明いたします。
急性膵炎の原因
急性膵炎の約40%はアルコール摂取によるものとされています。アルコール摂取による膵炎を引き起こすメカニズムははっきりとわかっていませんが、アルコールの大量摂取により、膵液がたくさん分泌され、膵管内の圧力が上昇し、炎症を引き起こすのではと考えられています。次に多いのが、胆石が十二指腸乳頭に詰まって引き起こされる、胆石性膵炎です。
なぜ胆石が膵炎を引き起こすのかと言うと、上記の図を見てください。肝臓で作られた消化酵素は一旦、胆のうに貯められます。胆のうで濃縮された胆汁は総胆管を通り膵管と合流し、十二指腸乳頭から十二指腸に分泌されます。この十二指腸乳頭に胆石が詰まってしまうと膵液が分泌されずに膵臓自体を消化し炎症を引き起こしてしまいます。その他に原因不明の場合がありますが、胆石が自然落下(詰まっていた胆石が自然に流れていった)した事が原因なのでは無いかと考えられています。
症状
急性膵炎の初期の自覚症状としては軽い胃痛程度であり、この状態で受診される方は少ないかと思われます。炎症が進んでいくと、みぞおち当たりの激しい腹痛が出現してきます。痛みが強くうずくまってしまう場合もあります。また、吐き気や発熱を伴う場合もあります。
治療方法
膵炎は食事や水分を取ると膵液を分泌し悪化しますので、入院による絶飲食・点滴加療となります。そして、膵液の働きを抑えるような薬による治療も行います。また、胆石が原因の場合には胆石を取り除く手術を行う場合もあります。
急性膵炎は重症化するととても怖い病気です。また、急性膵炎を繰り返していると慢性膵炎に進行してしまいます。腹痛を感じたら、放置せず、しっかり治療する事が大切です。軽度な腹痛でもご相談いただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。