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まだ肌寒い日もありますが、桜の開花宣言が出され桜の花びらが舞う日が近づいてきましたね。
皆さんは、IBS(過敏性腸症候群)という病名を聞いたことがありますか?今回は過敏性腸症候群についてお伝えします。ぜひ見てみてください。
過敏性腸症候群(IBS)とは
大腸および小腸に潰瘍や腫瘍などの器質的異常がないにもかかわらず、下痢あるいは便秘などの便通異常と腹痛、腹部膨満感などのお腹の症状がある病気です。
命に関わる病気ではありませんが、腹痛、便秘・下痢、不安などの症状のために日常生活に支障をきたすことが少なくありません。
診断基準
過敏性腸症候群はどうして起こるのか?
過敏性腸症候群の発病あるいは症状が悪くなる原因としては身体的、精神的ストレスが大きく関与しています。生まれつきの性格、育った環境により病気の元が形成され、腸が敏感になります。そこに身体的、精神的ストレスが加わり、腸の機能異常が発生します。腸が痙攣して過剰に収縮したり、ゆるむことができなくなり、運動の異常が生じます。また、脳および腸の感覚が敏感となり、感覚に異常が生じます。運動の異常と感覚の異常から過敏性腸症候群の症状が出ると考えられています。
過敏性腸症候群の便通異常にはどのようなタイプがあるのか?
過敏性腸症候群は便秘がちになる方から下痢を起こしやすくなる方までさまざまなタイプがあり、これらはブリストル便形状尺度という評価スケールを用いて、便の形状と頻度から「便秘型」、「下痢型」、「混合型」、「分類不能型」の4つの型に分けられます。
便秘型はブリストル便形状尺度のコロコロ便や硬い便、下痢型では泥状便や水様便が多く、混合型では両方のタイプの便が同じような頻度で起こります。また、分類不能型タイプではやや硬い便、普通便、やや柔らかい便が主体となります。
4つの型の違いにより症状も異なり、便秘型の方はストレスを感じると便秘がひどくなります。一方、下痢型の方は緊張するとお腹が痛くなったり、下痢が生じます。混合型の方は下痢をしたり便秘をしたり、便通が変動するのが特徴です。
ブリストル便形状尺度評価スケール
過敏性腸症候群の治療とは?
まずは生活習慣の改善が重要となります。
食事は栄養バランスを考えて3食規則正しく摂り、暴飲暴食を避けましょう。ストレスを溜めず、睡眠、休養を十分にとるように心がけましょう。刺激物、油っこい物、アルコールは控えましょう。
生活習慣を改善しても症状がよくならない場合は、お薬による治療を行います。過敏性腸症候群のどのタイプなのかによって用いるお薬は異なります。消化管機能調節薬や便の水分バランスを調整する薬など症状に応じて処方されます。
過敏性腸症候群の経過で注意することは?
腹痛・便通異常は加齢により警戒するようです。50歳代以上ではそれより若い人より病気になる割合が低い傾向にあります。便通異常のタイプが変わる人も少なくありません。
IBSの方は、健康な人と比較して、胃の痛み・胃もたれ(機能性ディスペプシア)、胸やけ・呑酸が合併する人は2倍以上多いと推定されます。
さらに注意したいこととして、過敏性腸症候群から潰瘍性大腸炎やクローン病となる確率が高いことが報告されています。過敏性腸症候群と診断されても、便に血が混ざる、体重が減るなど気になる点がある場合は専門医を受診するようにしてください。
いかがでしたか?
過敏性腸症候群の症状を完全に消失させることは難しく、症状をコントロールするように心がけることが重要です。直接死に至る病気ではありませんがその症状による生活の質(QOL)の低下は著しいといわれており、過敏性腸症候群とうまくつきあっていくことが大切です。
過敏性腸症候群の症状にお悩みの方は一度ご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。