こんにちは。

もう8月も過ぎてしまいました。あっという間に年末ですかね？

1日1日を大切に過ごしていきたいものです。

さて今回は、TVでも報道されているマイコプラズマ肺炎についてお伝えしたいと思います。ぜひ見てみてください。

マイコプラズマ肺炎とは

細菌の一種『マイコプラズマ』によって引き起こされる肺炎です。大人の場合でも比較的若年者に多く、自然回復することが多いのですが、中には重症化することがあり、呼吸困難を起こして長期入院になることもあります。

現在全国的にマイコプラズマ肺炎の感染者が増えています。大阪府内の感染状況としては、基幹定点医療機関（全国約500カ所の病床数300以上の医療機関。大阪府では18の医療機関があります。）1999年からの調査では、1週間の定点あたり報告数で多かったのは2011年の第48週の3.87でした。2024年第31週（7月29日～8月4日）は3.89で現行の集計方法になってから最も高い報告数となっています。第34週（8月19日～8月25日）では、3.44と減少していますが、都道府県別でみると佐賀県に次いで2番目に高い報告数となっています。

原因

風邪と同じように、発症した人の咳やくしゃみのしぶきを吸い込んだり、しぶきのついた手で鼻や口を触ったりすることで感染が広がっていきます。

症状

2～3週間の潜伏期間の後に発熱、だるさ、頭痛など一般的な風邪症状が現れるのが特徴です。

肺炎の特徴的な症状である咳などの呼吸器症状は発症後3～5日ほど経ってから現れることが多いとされています。また、発熱などの全身症状は通常数日で改善しますが、痰のからまない乾いた咳が「長く」「激しく」続くのも特徴の一つです。

そのほかにも胸の痛み、喉の痛み、声のかすれ、下痢、嘔吐、皮疹など多岐にわたる症状を引き起こします。

そして重症化した場合は、細気管支炎を併発し、ヒューヒューやゼイゼイとした苦しそうな呼吸が見られることもあります。また、中耳炎、髄膜炎、肝炎、膵炎、関節炎などさまざまな合併症を引き起こすこともあり、特に成人が発症すると小児より重症化しやすいとされています。

検査・診断

マイコプラズマ肺炎が疑われるときは次のような検査が行われます。

・血液検査

体内で生じている炎症、高熱による脱水の有無などを調べるために血液検査を行うのが一般的です。

病状の変化や治療効果を評価する目的で繰り返し行われます。

・画像検査

肺炎の状態や広がりを確認するため、X線検査やCT検査が行われます。CT検査の方がより詳細に肺に生じた炎症の状態を描出することができますが、乳幼児は体動を抑制することが困難なためX線検査のみを行うケースもあります。

・感染の有無を確認する検査

マイコプラズマに対する抗体の数値や遺伝子の有無を調べる検査などが行われます。

近年では鼻やのどの粘液にマイコプラズマが含まれているか迅速に評価できる診断キットが広く用いられるようになっています。

治療

マイコプラズマを死滅させるための抗菌薬による薬物療法が行われます。主にマクロライド系と呼ばれる種類の抗菌薬が用いられますが、近年ではマクロライド系の抗菌薬が効かないマイコプラズマが多く出現するようになり、ほかの種類の抗菌薬が必要になることも少なくありません。

また、咳止めや解熱剤など症状を和らげるための薬物療法も並行して行われるのが一般的です。さらに、呼吸困難や脱水等の症状が強い時は、酸素投与や点滴が必要となるため入院治療をせざるを得なくなるケースも珍しくありません。細気管支炎の合併が認められた場合には早期からステロイド治療を併用します。

予防

現在のところ有効なワクチンなどは開発されていないため、感染を高率に予防できる方法はありません。

そのため、マイコプラズマ肺炎になるリスクを低減させるためには手洗い、うがい、消毒など一般的な感染対策を徹底し、周囲に感染者がいる時はマスクを着用することが大切です。

 

いかがでしたか？

難しいことをお伝えしているようになっていますが、要は感染者が増加しているということ、有効なワクチンはないということ、感染対策が大切だということです。

マイコプラズマ肺炎・溶連菌感染症は学校再開後の動向に注意が必要です。また、インフルエンザは、早ければ9月から流行する可能性があります。また、引き続き、コロナ感染症にも注意してください。

体調管理を行いつつ、引き続き感染対策も行っていきたいものです。

現在、当院での発熱、咳などの症状がある場合の抗原検査は、インフルエンザと新型コロナウイルスのみとなっています。発熱、風邪症状がある場合の診察は、一度お電話でお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。