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こんにちは。
近頃は、気候変動のためか異常気象が起こりやすくなっています。
まもなく梅雨入りです。体調を崩さないように過ごしたいものです。
以前、○○結石と結石に関する疾患を紹介させていただきました。今回は、消化器科の疾患ではありませんが、結石繋がりの疾患『尿路結石』をお伝えさせていただきます。
ぜひ見てみてください。
腎臓に作られる石を腎結石と呼び、これが尿管に落ちてくると尿管結石になります。さらにそれが膀胱に落ちてくると膀胱結石になり、尿道で詰まってしまうと尿道結石になります。
このように石ができる位置によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれ、これらの総称を『尿路結石』といいます。
腎臓結石を含む結石は、男性は7人に1人、女性は15人に1人が一生に一度は罹患すると言われる比較的メジャーな疾患です。
腎結石の場合は痛みはありません。それが尿管に落ちてくると、片方の腰、脇腹に非常に激しい痛みが出てきます。
「痛みの王様」と呼ばれ、人格もかえてしまうほどの激しい痛みは何をしてもやわらぐことはありません。
例えば筋肉や骨の整形外科的な痛みであれば、腰をひねったり、ある方向に動かすと楽になったりしますが、尿管結石の痛みは何をしても変わりません。
尿管結石が下に落ちてきて膀胱近くまでくると、腰や脇腹の痛みに加え残尿感、頻尿、排尿時痛といった膀胱刺激症状が出てきます。
さらに結石が膀胱まで落ちてきて膀胱結石になると膀胱刺激症状だけになり激しい痛みはなくなります。
膀胱結石が尿道で詰まってしまって尿道結石になってしまうと、おしっこをしたくても石にせき止められて出なくなってしまいます。石が尿道の表面と擦れるため出血を起こすので全ての結石において血尿の症状が出ます。
原因
遺伝:遺伝的にご両親が尿路結石をしたことがあるとお子さんもなりやすいです。
高血圧・糖尿病・高脂血症:尿路結石は生活習慣病の一つだと言われているので、高血圧、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)になりやすい方は尿路結石になりやすいです。
水分不足:腎臓で作られる尿が濃くなってしまうと結石ができやすくなります。例えば、砂糖水を作るとき水分が少ないと砂糖が溶けきらずに容器に残ってしまいますが、水分を多くすると綺麗に溶けますよね、その原理と同じで、結石も尿もたくさん作られると結石の成分が薄まって作られず、水分が少ないと尿の量も減り、濃度が高くなって結石ができるというわけです。
尿検査:尿路結石があると尿の中に赤血球や白血球が出てきます。
血液検査:腎臓の機能の低下を確認します。腎臓で石が作られて尿管が詰まった場合、おしっこが落ちてこれなくなり、腎盂が風船のように腫れてきます。圧が高まって尿が作られなくなると、腎臓がもうおしっこを作らなくていいんだと判断し、腎臓の機能が低下します。
レントゲン検査:レントゲンでお腹にある石を映し出します。ただレントゲンでは映らないケースも多くあるので、他の検査と組み合わせて検査していきます。
超音波検査:腎臓の腫れを確認できます。腫れた箇所から石の位置を推測していきます。
CT検査:筒状の機械に入って体を輪切りにした状態で見ることができます。被曝するので多少の害はありますが、結石の正確な位置を確認できます。
治療
保存的治療:水分をたくさんとって、運動をして尿管を動かし自力で排石を促すのが保存的治療です。10mm以下の石に適応されます。10mm以上の石になると尿管の太さにもよりますが、自然排石は難しいと判断されるため泌尿器科の専門医と相談しながら治療を進めていくことになります。
体外衝撃波(ESWL):腰から衝撃波を与えて結石を砕いていく治療法です。レントゲンで映った石をレーザーで当てていきます。石が排石される効果、治療奏効率が8割から9割と高い治療法になります。砕かれて小さくなった石は自然排石を待ちます。
経尿道的尿管結石破砕術:治療奏効率が一番高い治療法です。尿道から膀胱、尿管にカメラを通して直接石を見ながらレーザーで砕いていきます。砕いた石を取り出すことがあれば、自然排石することもあります。
水分を摂る:1日2リットル、難しい場合は1.5リットルくらいの水分(カフェインや糖分を含まない)を摂って適度な運動を心がけましょう。
生活習慣に気を付ける:尿路結石は生活習慣病ともいわれています。塩分やカロリーの過剰摂取に気を付けましょう。
シュウ酸の摂り過ぎに注意:尿路結石の1番の原因となる石はシュウ酸カルシウムです。シュウ酸は、ほうれん草、キャベツ、コーヒーなどに多く含まれています。
尿酸値を上げない:尿酸値が高いのを放置しておくと痛風になります。痛風は、足指先に風が吹くだけでも痛みが走ると言われるほどの強烈な痛みを伴います。痛風の原因は尿酸結晶です。尿酸が高くなると腎臓にも尿酸結晶ができます。尿酸はビールやお肉、魚卵などに多く含まれるプリン体が原因ですので摂りすぎないようにしましょう。
いかがでしたか?
尿路結石の予防には水分をたくさん摂りましょう。これからの季節は汗もかきやすくなりますので特に水分摂取を心がけていただきたいものです。
今回お伝えさせていただいた尿路結石の診療科は、泌尿器科となります。症状によっては尿路結石と断定できないものもあります。必要時には専門医へご紹介させていただくことができます。気になる症状があれば一度ご相談いただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。