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今年も早いものでもう12月になりましたね。寒い日もあり、どんどん季節が進んでいます。残すところ後27日です。体調を崩されないようにしていきましょう。
今回は、腹部超音波検査で見つかることがある『肝血管腫』についてです。ぜひ見てみてください。
肝血管腫とは
肝臓に発生する良性腫瘍で、最も頻度が高いとされています。血管系組織の拡張による海綿状血管腫と、胎児期の血管組織の遺残物が増殖した2種類があるといわれていますが、前者がほとんどです。ほとんどの肝血管腫は経過観察で良いのですが、徐々に大きくなったり、肝臓がんとの鑑別が難しかったりするケースもありますので、健康診断などでご指摘を受けた場合には一度ご受診ください。
原因
原因は詳しくわかっていないのが現状です。わかっている原因としては遺伝性、肝硬変などの肝機能障害、ホルモンの影響などです。統計的に出産経験の多い女性によく見られます。
症状
症状としては、そのほとんどが無症状で、肝臓の画像診断(腹部超音波検査、CT)で、偶然に発見されることが多いようです。大きくなってきたりすることがあると周辺臓器の圧排や破裂によってお腹の不快感や腹痛をきたすことがあります。
またごく稀に巨大なもので、血管腫内で血栓症を引き起こし、DIC(播種性血管内凝固障害)を来す場合(Kasabach-Merritt:カサバッサ・メリット症候群という)は、全身の出血症状が現れます。また自然破裂を来すことがあるともいわれており、その場合は腹腔内出血による腹痛、貧血、出血性ショック症状などが現れます。
診断
稀に肝血管腫と似た形の肝臓がんがあるため、診断時には造影CTやMRIなどの画像診断法でほぼ確定できます。その画像の特徴は、造影CTで造影剤が長く腫瘍の部分に停滞すること(肝臓の門脈相においても造影剤が残る)、MRIのT2強調画像で、液体貯留と同等の高い信号値(白く映る)を示すことです。
治療
ほとんどの場合は経過観察で問題無いですが、次の場合には治療が必要になります。
いずれの場合でも、肝血管腫が大きいケースでは、注意が必要です。
いかがでしたか?肝血管腫は良性腫瘍なので心配ないと言われると安心してしまいそのまま放置してしまう方が非常に多いですが、変化していく可能性はあり、その経過を追って診ていくことは重要です。決して放置することなく医師に指示された間隔でしっかりと経過を診ていくようにしましょう。
腹部超音波検査などの検査で経過を診ることが大切です。当クリニックでは、6ヶ月毎に経過確認させていただいています。ご心配な方はご相談ください。最後までお読みいただきありがとうございました。