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血圧の話

こんにちは。

先週は台風に振り回された1週間でした。

そして、土曜日に開催予定していた、市民向け講座が延期となりました。

再度日程調整を行い、開催したいと思っております。日にちが決定次第、ご案内いたします。

さて、本日は血圧の話をしたいと思います。

血圧はよく聞く言葉ですが、何となくしか理解できていない方もおられるかも知れません。なるべく分かりやすく説明しましたので、良かったら最後までお読みください。

血圧の話

人の細胞数はだいたい一緒の数となっています。

では、最近、筋トレでやせた院長と肥満の私との体積の差はどこにあるでしょう?

答えは、脂肪を蓄える事によって細胞のサイズが大きくなり、体積に違いが出てきます。

では、細胞のサイズが大きくなるとどんな事が起こるでしょうか?

サイズが大きくなると、細胞の数は同じでも、心臓から一番端っこの細胞までの距離が長くなります。そうすると、血液をより遠くへ送り届けなくてはいけないため、心臓は血液を強く押し出す必要があります。

強く押し出すという事は、血圧が高くなるという事であるため、体格以外は変わらないヒト同士の場合は、太っている人の方がやせている人より血圧が高いという事が分ります。

血圧に影響する事

では、他にどんな事が血圧に影響するでしょうか?

お酒を飲むと赤くなると思います。あれは、お酒で血管が拡張して血流が良くなり、赤くなります。血管が拡張すると圧力が分散するため、血圧は下がります。

体が熱を持つと、血管が拡張し、外界に接する面積を増やして、放熱します。

先ほどと同じように、血管が拡張すると、血圧は低くなります。

逆に寒くなると、血管が収縮して、熱が逃げるのを抑えます。血管が収縮すると、先ほどとは逆に血圧は高くなります。

湯船につかると、押しのけた水で体全体が押されるため、血管も間接的に押されて血圧が上がります。逆に湯船から急に上がると、今まで押されていた水の圧力が急になくなるので、血圧は一気に下がります。

この事をさっきの温度の話と合わせると、冬場のお風呂がいかに危険なのかが、わかると思います。

また、運動をすると体が求める酸素量がいつもより増えます。すると、大量の酸素を全身に配らなければならないため、血液の循環量を増やすために、心拍数を増やします。心拍数が増えると血圧が上がります。この辺の原理はポンプ井戸と同じなのですが、今時の若い世代には通じない事が多いですね。

などなど、色々な理由で血圧は変動します。

血圧の基準値

では、このように色々と変動する血圧をどのようにコントロールするかなのですが、私は2つの基準をもって内服調整をしています。

上がっても収縮期血圧は190mmHg以下に保つ事、通常の収縮期血圧は110-130mmHg程度に保つ事の2つです。

※ちなみに、収縮期血圧とは血圧の左側、分母の方の血圧、一般的に言う「上の血圧」です。140/80だと140が収縮期血圧で80が拡張期血圧と言う事になります。

一つ目の理由は収縮期血圧が190mmHgや200mmHg以上になると脳出血のリスクが跳ね上がると言われているからです。ですので、一時的に血圧が上がるにしても収縮期血圧は190mmHg以下に抑えたいという、切実な願いからです。

また、収縮期血圧が190mmHgや200mmHgには行かないまでも、普段の血圧が高いと血管にダメージが蓄積します。

血管は環境の変化に対応するために自動で収縮したり、拡張したりして血圧の変動を調節しています。

例えば、横になっていると全身に血液が行き渡っていますが、急に起き上がると、重力に従って血液は足の方に移動します。すると、頭の血液が足下へ移動することになるため、頭の血液が足りずに立ちくらみを起こしてします。そうならない様に足の血管は収縮し、なるべく血液が足に移動しない様にします。しかし、慢性的に高血圧であると、血管の収縮力が弱く、立ちくらみを防ぐ事ができなくなります。

 

その調節のイメージはパンツのゴムです。買ったばかりの頃は伸び縮みしていますが、ずっと伸びたままだと、縮まなくなります。血管も同じで、普段の血圧が高いといずれ、収縮しなくなります。そうなると環境の変化に血管が対応できなくなり、色々な血管障害を起こすのです。

では、収縮期血圧は低ければ良いのかといえば、そういう訳でもなく、血圧を下げすぎると、臓器に十分な酸素や栄養を送る事ができず、臓器の機能を著しく低下させてしまう可能性があります。

ですので、血圧は下がっても100前後に抑えたいため、余裕を持って普段の血圧は110mmHg~130mmHgぐらいでコントロールしたい訳です。

 

普段から無症状だが血圧が高めだと言われている方、昔は降圧剤を飲んでいたが面倒くさくなって飲むのをやめた方、降圧剤を医師から勧められているがかたくなに飲まない方、本ブログを読んで少しでも、気になった方は医療機関を受診して、医師に相談してみてください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

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