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こんにちは。
先週から雨の日が多く気持ちもどんよりしてしまいますよね。
3月下旬から4月上旬にかけて、菜の花(別名 菜種)の咲いている時期に降り続く雨のことを『菜種梅雨』と言うそうです。
初めて聞く梅雨の種類に、そんな言葉があるのか?と思わずネット検索をしてしまいました。
気温は上がってきていますが、まだもう少し菜種梅雨が続きそうです。
さて今回は、総胆管結石から起こる疾患 『胆管炎』についてです。ぜひ見てみてください。
胆管とは、肝臓でつくられた胆汁の通り道で、肝臓から十二指腸までの太さ0.5~1.0cm、長さ10~15cmの管をさします。
胆汁のうっ滞とそれに加わる細菌感染による胆管の炎症です。胆汁のうっ滞により胆道内の圧が上昇し、胆汁中の細菌が肝臓の静脈に流入することにより急速に全身状態が悪化します。
急性胆管炎の多くは、何らかの要因で胆管が閉塞し胆汁の流れが滞り、胆管内部の圧力が高まることで起こります。また、胆汁に細菌感染することも原因の1つです。
・胆管に結石ができた
・何らかの良性病変により胆管が狭くなる
・胆管の手術後、吻合部(手術で縫い合わせた部分)が狭くなる
・悪性腫瘍により胆管が狭くなる
以前までは胆管の結石(総胆管結石)がもっとも多い原因でした。しかし、近年では悪性腫瘍によるものや、硬化性胆管炎、胆管の内視鏡検査や処置など良性病変などを原因とする症例が増えています。急性胆管炎の原因のうち、悪性腫瘍が占める割合は約10~30%と報告されています。
最も典型的な症状は、発熱、黄疸(皮膚や白目部分が黄色くなる症状)、右上腹部の痛みです。発熱や右上腹部の痛みは、急性胆管炎の患者さんの80%以上にみられます。また黄疸は60~70%程度と報告されています。なお、より重い急性胆管炎のケースでは、これらの症状に加えてショックや意識障害が起こることもあります。
血液検査で全身の炎症を反映するCRPや白血球数といった値の上昇を調べます。また、胆汁のうっ滞を反映するAST、ALT、ALP、血清ビリルビンといった肝胆道系酵素と呼ばれる値の上昇を調べます。
胆管炎の原因疾患の診断には、腹部超音波検査、CT検査に加え、MRI検査が有用です。
胆管炎の程度によって治療方針は変わりますが、原則として胆道ドレナージ術(うっ滞した胆汁を排出する処置)の施行を前提に抗菌薬の投与、全身状態の管理を行います。
胆管炎は重症化すると急性閉塞性化膿性胆管炎に至り、意識障害とショックを呈するようになります。
急性閉塞性化膿性胆管炎になると敗血症やDIC(汎発性血管内凝固症)、多臓器不全といった重篤な転帰をとる危険性が高まるため緊急の胆道ドレナージが必要となります。
少しでも早い処置が必要となります。発熱、右上腹部痛、黄疸など気になる症状の出現がある場合は様子を見ずにまずはご相談ください。診察後、必要時は専門病院へご紹介させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。