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機能性ディスペプシアとは

もう11月ですね。今年も残り55日となりました。まだ暖かい日があるうちに大掃除を行いたい思っていますが、なかなか取り掛かれていません。

さて、今回は、2021年5月にもお伝えしましたが、この症状でお困りの方が多い現状があるので今一度お伝えできたらと思い、機能性ディスペプシアについてブログを更新しました。よかったら見てみてください。

機能性ディスペプシアとは

症状の原因となる明らかな異常がないのに、慢性的にみぞおち辺りの痛みや胃もたれなどの上腹部症状を表す病気を指します。

慢性的な上腹部症状は、胃や十二指腸の炎症、潰瘍、がんなどの病変によって引き起こされることが多いですが、病変が認められない場合もあります。この場合には、胃や十二指腸の機能的な問題によって症状が引き起こされていると考えられます。

機能性ディスペプシアの罹患率は約15%であると報告され、頻度の高い身近な病気です。命に関わることはありませんが、QOL(生活の質)に影響するため、我慢せずに適切な治療を受けることが大切です。

原因

機能性ディスペプシアの原因はまだはっきりとわかっていませんが、以下に示すような原因が1つ、あるいはいくつか組み合わさって症状が起こると考えられています。

  • 胃・十二指腸の運動が障害された場合
  • 胃・十二指腸の知覚過敏が生じている場合
  • 心理的なストレスがある場合
  • 胃酸が原因となる場合
  • ヘリコバクター・ピロリ菌が原因となる場合
  • 遺伝的要因
  • サルモネラ感染などによる感染性胃腸炎にかかった人
  • アルコール、喫煙、不眠といった生活習慣の乱れ
  • 胃の形態

症状

機能性ディスペプシアでは、みぞおち辺りの痛みや灼熱間、食後の胃もたれ、早期飽満感(少し食べるだけでお腹がいっぱいになる)などの症状がみられます。

胃もたれは、前日に脂っこいものを食べたりお酒を飲みすぎたりしたときなどによくみられる症状で、暴飲暴食であれば胃を休めると自然に軽快していきます。しかし、機能性ディスペプシアの場合には暴飲暴食などの明らかな原因がないにもかかわらず、このような症状が慢性的に持続し、毎日あるいは週に数回程度現れます。

症状の種類や程度は人によってさまざまで、みぞおち辺りの痛みと灼熱間のどちらかがある場合を心窩部痛症候群、食後の胃もたれと早期飽満感のどちらかがある場合を食後愁訴症候群と呼び、2つの病型に分類されています。この2つが重複することもあります。

検査・診断

機能性ディスペプシアの診断には、症状の原因となり得る病気を否定することが重要です。

そのために、詳細な問診(症状の種類、発症時期、食事との関連、体重減少の有無など)によって病態を確認します。そのうえで、多くの場合は胃カメラやピロリ菌検査が行われます。

必要に応じて、血液検査や腹部CT検査、超音波検査などが行われることもあります。

このような検査の結果から、明らかな異常がない場合に機能性ディスペプシアと診断されます。

治療

機能性ディスペプシアの症状が出るには、主に2つの原因が考えられています。

1つは、胃のはたらきの異常を症状として感じる場合、もう1つは、普通の胃のはたらきを敏感に感じて症状が出る場合です。

胃のはたらきの異常を引き起こす刺激は胃の動きと胃酸が代表的です。胃は食事を摂ると胃壁が緩んで広がることでより多くの食べ物を溜め、その後に食物を十二指腸へ送り出します。この一連の動きがうまくいかないと、お腹が張った感じや痛みなどの症状が起こります。それを改善するのが、消化管運動機能改善薬です。また、胃酸が分泌されることで痛みが起きたり、十二指腸にたくさんの胃酸が流れ込むことで吐き気が起こったりします。この胃酸の分泌を抑えるのが酸分泌抑制薬です。

また、考えられる原因に応じて、抗不安薬や抗うつ薬、漢方薬(六君子湯など)が使われます。

予防

機能性ディスペプシアは、約5人に1人が数か月以内に再発するといわれています。しかし、原因を特定することが難しい病気であり、発症・再発予防の方法はまだ明らかになっていません。

とはいえ、胃酸分泌や感染症、心理的ストレスなど考えられる原因を防ぐことで機能性ディスペプシアの予防につなげられる可能性も考えられます。

十分な睡眠を取る、食事を腹八分にして過度な飲酒を避ける、ストレス対策をするなどの基本的な心掛けは、ほかのさまざまな病気の発症予防にもつながるため、意識的に予防策をとっていきましょう。

 

いかがでしたか?

突然のみぞおち辺りの痛みや灼熱感につらい思いはされていませんか?その症状を我慢せずに一度相談されてはいかがでしょうか?いつでもお待ちしていますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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