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早いものでもう4月ですね。あっという間に桜も散ってしまいました。皆さんは、花見に行けましたか?
さて今回は、当院でよく処方される漢方薬の『大建中湯』についてブログを更新しました。ぜひ見てみてください。
大建中湯(だいけんちゅうとう)とは
日本で最も使われている漢方薬であり、腹痛や腹部膨満感などの下部消化管症状に使われる処方です。腸管蠕動亢進作用や腸管血流増加作用、抗炎症作用なども薬理作用を有する薬剤です。
術後麻痺性イレウス(腸管麻痺)や術後癒着性イレウス(腸閉塞)などに伴う消化器症状に用いられています。また、過敏性腸症候群、便秘症、並びにクローン病などの炎症性疾患に伴う消化器症状にも応用されています。
構成生薬
カンキョウ(乾姜)・ニンジン(ニンジン)・サンショウ(山椒)・コウイ(膠飴)
効能・効果
腹が冷えて痛み、腹部膨満感があるもの。
使用目標
体力が低下した人で四肢や腹部が冷え、腹痛、腹部膨満、鼓脹のある場合に用いる。
用法および用量
通常、成人1日15.0gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
副作用
漢方薬は一般的に穏やかな効き目のものが多いことから副作用が少ないと思われている方が多いようですが、どんな薬でも薬効があるのと同時に副作用があります。
主な副作用として、発疹、蕁麻疹、腹部膨満、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、体がだるいなどが報告されています。このような症状に気づいたら医師へ報告を行うようにしてください。
また以下のような場合には、服用をやめて、すぐに医師の診察を受けてください。
間質性肺炎
から咳、息切れ、発熱、呼吸困難
肝機能障害、黄疸
身体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる
服用のタイミング
食前:食事の1時間~30分前(胃の中に食べ物が入っていないとき)
もしくは
食間:食事の2時間後(食事と食事の間)
漢方薬は生薬の吸収を良くして早く効かせる、そして、一部の作用の厳しい生薬を穏やかに効かせるために空腹時に服用することが推奨されています。でも一般の薬は食後服用ですから、食前や食間の服用の漢方薬は忘れてしまいがちです。食後の服用でも著しく効果が落ちることはありません。
漢方薬を飲むときの注意点
お茶で飲んではダメなの?
濃いお茶やジュース、牛乳などは漢方薬の生薬成分と反応してしまうことがあるので、水か白湯で飲んでください。
白湯で溶かして飲むとより煎じ薬に近い状態となり、薬の吸収が早くなるのでお勧めですが、水で飲んでも問題ありません。
特に葛根湯、小青竜湯、六君子湯、大建中湯、人参養栄湯、芍薬甘草湯のような○○湯という漢方薬はもともと煎じ薬ですので、白湯に溶かして鼻で匂いを嗅ぎながら飲むことで本来の効果が期待できると言われています。
いかがでしたか?漢方薬は様々な生薬を組み合わせています。そのため、同じ漢方薬でも様々な症状に効果があります。漢方薬に限らず、症状に応じた薬を組み合わせることで困っている症状が、軽減もしくは気にならなくなることもあります。消化器症状など何か気になる症状がある場合は一度ご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。