夏風邪を引かない様にしましょう。
夏風邪とは夏にひく風邪の事と簡単に考えていませんか?夏風邪の原因となるウィルスは冬に多いタイプとは全く異なり、症状にも大きな違いが見られます。
それを知らずに冬の風と同じ対処をしているとなかなか治らずに悪化させたり、別の病気を引き起こす事もありますので注意が必要です。
一般的な風邪を引き起こすウィルスは低温で乾燥を好みます。例えば、コロナウィルスやRSウィルス、インフルエンザウィルスなどが言われています。
【新型コロナウィルスはまだまだ解明されていない点が多く、これにあてはまるか不明です。】
上記のウィルスに対して、夏風邪を引き起こすタイプのウィルスは高温多湿を好む傾向にあり、夏に活動的になります。
代表例としてはエンテロ(腸)ウィルスやアデノ(喉)ウィルスです。名称が示すように発熱に加えて、腹痛や下痢、喉の痛みを引き起こすウィルスで、『夏風邪はお腹にきやすい』といわれるのは、主にエンテロウィルスが増殖して引き起こす風邪だからです。
(風邪のウィルスは他にもありますが90%はウィルスによるものなので、ここではウィルスを中心として説明しています)
夏風邪と思われる症状がみられたら、どのように対処すればいいのでしょうか。
発熱があると、まず市販の解熱・鎮痛薬や風邪薬を使う人が多いと思います。
でも、腹痛や下痢がある場合、市販薬には胃腸障害や便秘を起こしやすいものもあるので気をつける必要があります。
とくに下痢は、ウイルスを排出するための症状でもあるので、風邪薬や下痢止め薬で便秘になると、症状が長引くことになりかねません。腹痛や下痢が続くときには、早めに受診して、適切な薬を処方してもらうことが大切です。
また、下痢を起こすと脱水症状にもなりやすいので、水分を多めに摂ること。とくに高齢の方は、発熱で体がだるいと脱水症状に気づきにくいので、定期的(1時間に1回程度)な水分補給を忘れないようにしましょう。
ノドの痛みには、軽いうちなら「濡れマスク」も効果的。ノドは乾燥すると免疫力が低下し、ウイルスが繁殖しやすくなるからです。
ただし、夏風邪のウイルスは多湿で不潔な環境を好むので、マスクは早めに交換し、常に清潔なものを着けるように気を付けてください。
夏風邪の場合、少し高めの熱(38~40℃)が2~3日続くこともよくあります。そんなとき、ふとんをかぶって無理に汗をかいて治そうとする人がいますが、夏期には体力を消耗しやすいので要注意。水分を十分に摂ってぐっすり眠り、体力の回復を心がけましょう。
夏風邪の予防のために
夏風邪は、日常生活のなかのちょっとした注意で予防することができます。
たとえば夏風邪は、冬の風邪とは感染の仕方が違います。冬の風邪は咳やくしゃみによる飛沫感染が中心ですが、夏風邪の場合は経口感染が多くみられます。家族に患者がいる場合は、家庭内での手洗いやうがいを心がけ、とくにトイレや洗面所のタオルの使いまわしはしないこと。湿って汚れたタオルには、夏風邪のウイルスが繁殖しやすいです。
免疫力の低下も、夏風邪の原因の1つです。炎天下での運動や外出、あるいは睡眠不足や不規則な食事が続いたとき、免疫力が急速に低下することがありますので、十分注意してください。
新型コロナの影響で、発熱する事自体が疑わしいと考えられてしまいます。自己免疫力を高めて、夏風邪を引かない様に心がけましょう。
引用文献:オムロン健康コラム