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こんにちは。
ひらたクリニック副院長の井口です。
今週のブログは健康診断についてお話したいと思います。
良かったら最後までお読みください。
医療費削減が叫ばれている中、健康診断というものにお金が割かれている現状に違和感を持った事はありませんか?
特に症状もないのに健診で異常値が出たせいで、病院やクリニックを受診しなくてはいけなくなった事はありませんか?
これらの事は私が若い頃に感じていたことですが、共感される方はいるでしょうか?今回はそんな健康診断について話したいと思います。
若い頃はわずらわしいモノだと思っていた健康診断ですが、今は「健康な人ほど受ける必要がある検査」と考えています。
持病のある方は医療機関に通院し、定期的に検査を受けているので、その流れで別の病気を発見しやすいのですが、健康な人は症状が進まないと医療機関を受診しないため、病気の発見が遅れがちになります。
そんな健康な人にとって健康診断は病気を発見する契機になりやすいです。
健康診断は、病気がないと思われる人にする検査なので、精密性や正確性は二の次で、「早い」、「安い」、「簡単」と、どこかの牛丼屋のキャッチフレーズの様な検査を行い、病気の疑いがある人をピックアップするのが目的です。
ピックアップする事が目的のため、多少、正常な人が引っかかる検査でも、言い換えると、やや信用度の低い検査でも、簡単にふるいをかけられるものであれば、健康診断の項目になります。
例としては、以前に説明した個人差が激しくて基準値を一律に扱えない腫瘍マーカーや、痔などでも引っかかる便潜血などがそれに当たります。(過去ブログ:腫瘍マーカーについてはココをクリック)
健康診断でピックアップする病気は、今の所は無症状だけれども、長期的に放置すると、健康を大きく損なう状態になりやすい病気です。
具体的に言うと胃癌や大腸癌などの悪性腫瘍はもちろんの事、生活習慣病と呼ばれる疾患群などが対象です。
生活習慣病は現代病とも呼ばれ、現代の日常を健康に配慮せずに過ごす事で容易に発症する疾患群で、脂質異常や高血圧、糖尿病などがあります。
これらの疾患は容易に併発し、メタボリックシンドロームと呼ばれる病態となり、血管にダメージを与えます。すると、血管は詰まりやすくなったり、弾力がなくなったりして、血液が流れにくくなります。
血管は、全身至る所に存在するため、この病態を放置すると、全身の臓器で血流障害が起き、徐々にダメージが蓄積していきます。
通常、どこかの臓器の働きが低下した場合、他の臓器が代わりに、一時的に無理する事で、弱った臓器の負担を軽減し、低下した機能が改善するまでの時間を稼ぎます。
しかし、血管にダメージが蓄積していると、全ての臓器が弱っており、他の臓器の分まで、負担を受け持つ事ができず、機能低下がすぐに症状として跳ね返ってきます。
身の回りの人で普段、健康そうだったのに、何かの拍子に、一気に老けたなんて人はいないでしょうか?その中の幾人かは生活習慣病で血管がボロボロだった可能性があります。
そんな病態を回避するために、血管を健康に保たなくてはならない訳です。
若いから大丈夫だろう、症状がないから心配ないと、健康診断を受けなかったり、健康診断を受けたとしてもその後の要精密検査を無視して過ごすと、いつの間にか、とんでもない病気に成長したり、中々治らない状態に発展する事がありますので、若さや無症状を過信せずに、定期的な健康診断の受診をお勧めします。
最後までお読み頂きありがとうございました。