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こんにちは。
年が明けてあっという間に3月に入りました。
3月上旬に花粉のピークが来るそうです。皆さんは花粉症ひどくなっていませんか?
さて2月19日に厚生労働省から『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』が公表されました。今回のブログはこのガイドラインについて解説していきたいと思います。良かったら最後までお読みください。
趣旨
ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることを目的としています。
なお、本ガイドラインでは、飲酒に係る留意事項等を示しておりますが、アルコールによる影響には個人差があり、また、その時の体調等によっても影響が変わり得るものです。
お酒は、その伝統と文化が国民の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒は健康障害等につながります。飲酒する習慣がない方等に対して無理に飲酒を勧める事はやめましょう。
アルコールの代謝
飲酒した際、飲んだお酒に含まれるアルコールの大半は、小腸から吸収され、血液を通じて全身を巡り、肝臓で分解されます。
アルコールの分解には、体内の分解酵素と呼ばれる物質等が関与していますが、体質的に分解酵素のはたらきが弱いなどの場合には、少量の飲酒で体調が悪くなることもあります。
※肝臓で、アルコールはアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸へと分解されます。酢酸は筋肉や心臓に移動してさらに分解され、最終的に炭酸ガスと水になります。
飲酒による身体等への影響
アルコールは血液を通じて全身を巡り、全身の臓器に影響を与えるため、飲みすぎた場合には、いろいろな臓器に病気が起こる可能性があります。飲酒による影響には個人差があり、例えば年齢、性別、体質等の違いによって、それぞれ受ける影響が異なります。
主な身体への影響として、以下のような特有の状態変化や固有のリスクなどが生じる可能性があります。なお、体調など個人のそのときの状態にも左右されます。
① 年齢の違いによる影響
高齢者は若い時と比べて、体内の水分量の減少等で同じ量のアルコールでも酔い やすくなり、飲酒量が一定量を超えると認知症の発症の可能性が高まります。あわせて、飲酒による転倒・骨折、筋肉の減少(サルコペニア(※)等)の危険性が高まります。 ※サルコペニアとは、加齢に伴う骨格筋量低下に加え、筋力及び/又は身体機能が低下した状態のことです。 10歳代はもちろん20歳代の若年者についても、脳の発達の途中であり、多量 飲酒によって脳の機能が落ちるとのデータがあるほか、健康問題(高血圧等)の リスクが高まる可能性もあります。
② 性別の違いによる影響
女性は、一般的に、男性と比較して体内の水分量が少なく、分解できるアルコ ール量も男性に比べて少ないことや、エストロゲン(女性ホルモンの一種)等の はたらきにより、アルコールの影響を受けやすいことが知られています。こ のため、女性は、男性に比べて少ない量かつ短い期間での飲酒でアルコール関連肝硬 変になる場合があるなど、アルコールによる身体への影響が大きく現れる可能 性もあります。
③ 体質の違いによる影響
アルコールを分解する体内の分解酵素のはたらきの強い・弱い(※)などが、個人 によって大きく異なります。分解酵素のはたらきが弱い場合などには、飲酒により、 顔が赤くなったり、動悸や吐き気がする状態になることがあります。(これを「フラ ッシング反応」と言います。)
※分解酵素のはたらきの強弱は、遺伝子によるものと言われています。東アジアではこの 分解酵素が弱く上記のようなフラッシング反応を起こす方々が一定数存在し、日本では 41%程度いると言われています。そのような人が、長年飲酒して、不快にならずに飲酒できるようになった場合で も、アルコールを原因とする口の中のがんや食道がん等のリスクが非常に高くなる といったデータがありますので注意が必要です。
飲酒量の把握の仕方
お酒を飲む場合、アルコール度数によってアルコール摂取量が変わります。純アルコール量に着目しながら、自分に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心がけることが大切です。
お酒に含まれる純アルコール量は、「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表すことができます。飲酒をする場合には、お酒に含まれる純アルコール量(g)を認識し、自身のアルコール摂取量を把握することで、例えば疾病発症等のリスクを避けるための具体的な目標設定を行うなど、自身の健康管理にも活用することができます。
単にお酒の量(ml)だけでなく、お酒に含まれる純アルコール量(g)について着目することは重要です。
健康に配慮した飲酒の仕方等について
飲酒をする場合においても、様々な危険を避けるために、例えば、以下のような配慮等をすることが考えられます。これらにも留意することが重要です。
① 自らの飲酒状況等を把握する
自分の状態に応じた飲酒により、飲酒によって生じるリスクを減らすことが重要です。 医師等へ相談したり、AUDIT等を参考に自らの飲酒の習慣を把握することなどが考えられます。
② あらかじめ量を決めて飲酒をする
自ら飲む量を定めることで、過度な飲酒を避けるなど飲酒行動の改善につながると言わ れています。行事・イベントなどの場で飲酒する場合も、各自が何をどれくらい飲むかなども参考にそれぞれ自分で決めて飲むことが大切です。
③ 飲酒前又は飲酒中に食事をとる
血中のアルコール濃度を上がりにくくし、お酒に酔いにくくする効果があります。
④ 飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲む
アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする(水などを混ぜてアルコール度数を低くして飲酒をする、少しずつ飲酒する、アルコールの入っていない飲み物を選ぶなど) 飲む量に占める純アルコールの量を減らす効果があります。
⑤ 一週間のうち、飲酒をしない日を設ける
毎日飲み続けるといった継続しての飲酒を避ける。毎日飲酒を続けた場合、アルコール依存症の発症につながる可能性があります。一週間の純アルコール摂取量を減らすために、定期的に飲酒をしないようにするなど配慮が必要です。
参考HP:厚生労働省『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』
いかがでしたでしょうか?当たり前の事かも知れませんが、お酒を飲む際に改めて気をつけたい内容でした。お酒は健康に気をつけながら楽しく飲みたいものです。
最後までお読み頂きありがとうございました。