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こんにちは。
お盆休みはゆっくりできましたでしょうか?お仕事だった方やゆっくり出来なかった方などいらっしゃるかも知れませんが、当院は1週間お休みを頂き、ありがとうございました。まだまだ、暑いですが頑張って行きたいと思います。
さて、皆様はマロリーワイス症候群ってご存じですか?聞きなれない言葉で、知らない人も多いのでは無いでしょうか?
今回はマロリーワイス症候群について説明していきます。
マロリーワイス症候群って?
この病気はマロリー医師とワイス医師により発見され命名された病気です。1929年、飲酒後に嘔吐を繰り返し吐血してしまった患者さんを調べた際、胃の噴門部に縦走する傷を見つけ、そこから出血していたことがわかり、これを報告しました。
それ以来、嘔吐を繰り返し出血し、内視鏡検査で胃に縦走潰瘍を認める場合を、マロリーワイス症候群と呼ぶようになりました。
原因
嘔吐を繰り返すことで腹圧が上がり、食道下部から胃の入り口付近にかけての粘膜に強い圧力がかかることが原因となります。
圧力がかかった粘膜が縦方向に裂け、その部分から出血が起こります。アルコールを飲んだ後に嘔吐を繰り返すことが原因となることが多いといわれています。その他にも、乗り物酔いや妊娠時のつわり、食中毒、過食嘔吐などが原因で生じることもあります。
症状
一番多いのは吐血です。吐血により出血に気が付きます。吐血以外では、みぞおち当たりの痛みが出現したり、黒色便が出ておかしいと気が付く場合もあります。出血量が多い場合は、貧血による立ちくらみが出てくる場合もあります。さらに重症化する(出血が止まらない)と出血性ショックになる場合もあり、吐き続けている事を放置しておくと危険な状態になります。
検査・治療方法
吐血で受診されるとまずは貧血になっていないか採血を行います。そして、吐血の原因を確認するために胃カメラを行います。嘔吐後の吐血が落ち着いていれば、胃カメラ挿入時には自然止血されている場合も多く、傷の確認を行い、軽度であれば、内服による様子観察となります。傷が大きかったり出血が持続している場合には入院が必要になり、止血処置を行う場合もあります。
嘔吐後による吐血では、一番最初に考えるのがマロリーワイス症候群です。嘔吐が収まれば吐血する事もなく、放置されがちです。吐血は時に命に係わる場合があり、なるべく早めの受診をお勧めいたします。