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こんにちは。ひらたクリニック副院長の井口です。
週初めから雨だとテンションが下がります。皆さんはいかがでしょうか?
さて今回のブログは4月22日にピロリ菌の歴史の話をしたので今回は除菌の話をします。良かったら最後までお読みください。
ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリといい、井戸水などから口を介して胃に感染します。胃に感染した後は胃で持続的に炎症を起こし、胃の遺伝子に悪い刺激を与え続けます。
短期間ならどうと言う事もない刺激でも、十年、二十年、三十年・・・と持続的に繰り返して受けているうちに胃の粘膜を作る細胞の遺伝子に異常を来し、癌や癌に近しい細胞を作るようになります。
そんな悪い刺激を少なくし、将来、胃癌になりにくくするためにピロリ菌を叩くことを除菌と言います。
「除菌」と改まって言うとスゴい治療をするように思われるかもしれませんが、実は簡単で、1週間の間、胃薬1種類と抗生剤2種類の合計3種類の薬を朝夕飲むだけで治療ができます。
ただし、中には耐性菌という、抗生剤の効きにくいピロリ菌が存在し、除菌した人の20~30%の割合でピロリ菌が生き残る場合があります。
なので、除菌した人は、ピロリ菌がちゃんと除菌できているか、生き残っていないかを確認する必要があります。
その確認のタイミングというのが問題です。
除菌薬を内服した直後というのが、検査の事を忘れにくくて、わかりやすいのですが、この時期は、耐性菌が生き残っていたとしても、非常に数を減らしており、検査に引っかからない可能性があります。
そのため、もし、耐性菌が生き残っていた場合に、検査に引っかかるぐらいまで数が増えるであろう時期の後にピロリ菌の有無を確認します。そこで陰性になって初めてピロリ菌を除菌したといえるわけです。
ですので、除菌薬を1週間飲んだからと言っても、一定期間を空けた後日、ピロリ菌がいない事を確認するまでは除菌したとはいえない事は知っておいて下さい。
さて、除菌の一番の注意点は説明しましたが、他にも注意点があります。
それは内服薬による副作用の問題です。胃薬は常用されている方も居られるため、出現は少ない印象ですが、抗生剤2種類は体には結構、刺激的で、様々な副作用を引き起こします。
副作用がでる頻度自体は低いのですが、低い頻度ながらも起こりやすい副作用というものがあり、下痢、味覚異常、肝障害などになってきます。これらは内服を終了した後、症状が改善するため、耐えられない程ではない場合は、できれば、除菌薬を継続して内服して欲しいです。
と、言うのも、途中で内服を中断した場合、ピロリ菌は耐性を獲得して、次回以降の除菌薬から生き残る可能性が高くなるためです。
ですので、副作用の下痢などは、我慢出来るのであれば、耐えて欲しいのですが、この症状が出たら絶対に除菌薬の内服を中止して欲しいという症状があります。
内服を中止する副作用(症状)
その症状とは発疹やじんま疹、湿疹、かゆみなどの症状でアレルギーの特徴として知られています。
除菌には3種類も薬を使うために、それぞれの薬にそれぞれのアレルギーを持つ方がいるわけです。アレルギー症状の軽いものであれば、湿疹が出来た、ちょっとかゆいぐらいの症状で治まりますが、重いものになると最悪、命の危険を来す場合があります。
とはいえ、そんなにしょっちゅう、しょっちゅう、アレルギーが出るわけでもなければ、アレルギーがでたとしても、命の危険にさらされることはほとんどありません。
ただ、「将来の胃癌を予防するために、今、命をかける必要はないよ」という意味で、「アレルギー症状がでた場合は除菌を諦めて中止しましょう」と言うことになります。
また、除菌を諦めたからと言って必ずしも胃癌になるわけではないですし、今の時代は早期に胃癌を見つければ、外科的手術をせずに内視鏡で治療できる時代ですので、過度な心配はせずに定期的な胃カメラを受けて頂ければと考えております。
と言う事で除菌について説明させて頂きました。普段、口頭でうまくしゃべっているつもりなのですが、普段しゃべっている事を文章にしてみると、ちゃんと伝わっているのだろうか?と思うほど、今回はうまくまとまっていない気がします。 ではでは。