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今日は2021年8月にもお伝えした、アニサキス症について再掲載しました。
この年末年始にアニサキス症による緊急内視鏡を2件行っており、注意喚起をしたいと思いブログを更新しました。
もし、生魚を食し激しい胃痛があり、アニサキス症を疑った場合、緊急カメラを行うかも知れませんので食事を抜いて来院してください。
まずは、予防が大切なのでアニサキス症にならないよう気を付けて欲しいです。
では詳しく見て行きましょう。
原因
アニサキス症の原因はアニサキスの幼虫に寄生されている魚介類を生で食する事で発症します。
アニサキスは海産哺乳類(クジラやイルカなど)の胃に寄生している線虫の一種です。この卵が海に放出され幼虫がサバやアジ、サケ、カツオ、イカなどの魚介類の内臓に寄生して生きています。このアニサキスの幼虫は寄生している魚介類が死亡すると内臓から筋肉へ移動する事が知られています。
症状
アニサキス症には大きく分けて2種類あります。アニサキスが胃で悪さするか腸で悪さするかの違いです。ほとんどは急性胃アニサキス症です。
急性胃アニサキス症・・・食後数時間後から十数時間後にみぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐などの症状が出ます。
急性腸アニサキス症・・・食後十数時間後から数日後の激しい下腹部痛、腹膜炎症状などが出ます。
治療方法
急性胃アニサキス症の場合、胃カメラ検査を行い直接アニサキスを取り除きます。激しい胃痛はアニサキスを取り除くとすぐに痛みがなくなります。内視鏡で取り除くのが難しい場合には薬での治療になります。
急性腸アニサキス症の場合、基本的に症状に対しての薬での治療になります。稀に腸閉塞を起こす場合があり、腸閉塞を引き起こした場合は入院が必要になります。
予防方法
予防方法としてはまず、鮮魚を丸々1匹で購入したら、良く冷やした状態で持ち帰り、なるべく早く内臓を取り除いてください。また、内臓を生で食べることはやめてください。
冷凍する・・・アニサキスは冷凍(-20度で24時間以上)で死滅しますので、一度冷凍され解凍された魚介類を購入した場合は安心して食べる事が出来ます。ただし、一般家庭の冷蔵庫は-20度まで冷えない場合もあるので、温度設定に注意してください。
加熱する・・・加熱(60度で1分以上)でアニサキスは死滅しますので、しっかり火を通して食べると安心できます。
細かく切る・・・魚では難しいですが、イカの刺身を食べる場合隠し包丁を行い細かく切る事で、アニサキスを死滅させる可能性が高くなります。ただし、必ず予防出来るとは限りませんので注意してください。
※調味料(塩・醤油・酢など)でアニサキスは死滅しませんので注意してください。特にシメサバによるアニサキス症の報告が多く上がっています。
アニサキス症は時期を問わず一年中報告のある病気です。当院でもアニサキス症を疑っている場合、緊急内視鏡を行い、アニサキスを取り除いています。生魚を食して激しいおなかの痛みを感じたら、アニサキス症を疑ってください。その際、食事を抜いて受診してください。食事をしていると胃カメラは出来ませんので、食事抜きで早めに受診をする事をお勧めします。