ひらたクリニック

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あっかんベーの話

こんにちは。

先週も健康診断で眼瞼結膜(下まぶたの裏)を診察しました。

 

良く健康診断で両方の眼をアッカンベーするように下まぶたを裏返すアレです。

アレは貧血の評価をする目的に行い、赤ければ貧血なし、白ければ貧血という簡単な検査になります。

研修医の頃は入院中の血液検査をした患者さんにお願いして、貧血の数値(ヘモグロビン)がいくつなら、この色とだいたいの目安が付く様に診察の練習をしたものです。

昔は、そこそこの精度で数字を当てていましたが、今は「スゴい貧血」と、「ちょっと貧血」、「まあ大丈夫」の3段階の評価しかできません。もちろん後に血液検査で確認しますが。

 

この診察で分かる事は、慢性貧血がないかどうか、つまり、ダラダラ、じわじわ、貧血になっていないかという事を確認しています。

 

急性貧血の場合、急に意識が遠のいた、血を吐いた、お尻から血が出たなどの症状があるため、比較的早期に医療機関を受診します。本人がしんどいですから。

 

慢性貧血の場合、症状が徐々に(1ヶ月単位で)進行するため、気づきにくいです。

症状自体も、倦怠感や、息切れ、めまい、たちくらみなどで、『最近、忙しかったから』とか、『歳をとったから』とか、『最近、運動していないから』と考えて、放置する事も多いです。

 

疾患自体も慢性炎症や癌、子宮筋腫、血液疾患など、徐々に進行するものが多いのですが、血液検査をしたら、普通の人の半分や、1/3の色素量で、ビックリするぐらい低い数値で、輸血を直ちに考えなくてはいけない場合もあります。

ゆっくりといえ、貧血を来す程の出血となると、体内にスペースがないため、血が体外に出る必要があります。消化器や女性器、泌尿器などは体外に排出口が開いているため、貧血の原因となる疾患が潜みやすいです。消化器内科的には胃癌や大腸癌が多く、胃カメラや大腸内視鏡で癌がないかの確認が必要になってきます。

 

病気的には命に関わるモノでなかったとしても、高度な貧血を来すような病気であれば、何かしらの医学的介入が必要ですので、『あっかんべー』をして、周りの人と比べて、まぶたの裏が白いようでしたら、医療機関への受診を勧めします。

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