2026年10月19日

便が油っぽい、流しても残る…それは膵臓からのサイン?
「脂肪便」とは
こんにちは。
大阪府羽曳野市にあります、医療法人好友会 ひらたクリニックです。
朝晩が涼しくなりましたね。
スーパーにはたくさん果物が並んでいて、秋を感じています。
皆さんは秋を楽しんでいますか?
さて皆さんは、普段トイレで便の状態を観察していますか?
便の色や形、回数を気にする方は多いと思いますが、「油っぽい」「便器にこびりついて流れにくい」といった変化に注目したことはあるでしょうか。
実は、こうした便の変化が、消化を支える臓器の不調を知らせていることがあります。
今回は、あまり聞き慣れない「脂肪便」について解説します。
■ 便に脂肪が混じる「脂肪便」とは?
脂肪便とは、食事から摂取した脂肪が十分に消化・吸収されず、便の中に多く含まれる状態です。
特徴としては、次のような変化が挙げられます。
●便が油っぽく、表面に油が浮いているように見える
●便の量が多く、軟らかい便や下痢が続く
●便のにおいが強くなる
●便が水に浮いたり、便器に付着して流れにくくなったりする
ただし、便が一度水に浮いたからといって、脂肪便とは限りません。食事内容や腸内ガスなどでも便の状態は変化します。大切なのは、一時的な変化ではなく、こうした状態が繰り返し起こっていないかという点です。
■ 脂肪の消化を支える内臓の働き
食べた脂肪を消化するには、胃や腸だけでなく、膵臓や肝臓・胆道の働きが欠かせません。
膵臓は、食べ物を分解する消化酵素を含んだ膵液を分泌しています。その中でも「リパーゼ」という酵素は、脂肪の消化に重要な役割を担っています。
一方、肝臓で作られる胆汁は、脂肪を消化・吸収しやすい状態にするのを助けます。そして小腸が、分解された栄養素を吸収します。
つまり、食物に含まれる脂肪の消化は、膵臓・肝臓・胆道・小腸が連携することで成り立っているのです。
この仕組みのどこかに問題が起こると、脂肪を十分に吸収できず、脂肪便につながることがあります。
■ 背景に隠れている病気の可能性
●膵臓の病気
慢性膵炎・すい臓がんなどの状態により膵臓から分泌される消化酵素(リパーゼ)が不足したり、十分に働かなかったりすることで、脂肪をうまく消化できず脂肪便になる場合があります。
●肝臓・胆道(胆のう・胆管)の病気
胆石や胆管がん、肝機能障害などで胆汁の流れが妨げられたりすることで、脂肪の消化・吸収がうまく出来なくなり脂肪便になる場合があります。
●小腸の病気
クローン病などの炎症性腸疾患やセリアック病(自己免疫疾患)など、腸粘膜の吸収能力が落ちる病気の場合も脂肪便になる場合が有ります。
●その他
胃切除後などの手術の影響や脂質吸収を抑える薬の服用などでも脂肪便になる場合があります。
また、高脂肪の食事を一度大量に食べた後に一時的に出ることもありますが、数日で治まることが多いです。
脂肪の吸収が長期間うまくいかないと、体重減少や栄養不足につながる可能性もあります。
ここで注意したいのは、『脂肪便があれば必ず病気がある』というわけでは無いという事です。
便の変化だけで原因を特定することはできませんが、体からの大切なサインとして捉えることが重要です。
■ 便の変化を、受診のきっかけに
脂肪便が疑われる場合、医療機関では便の状態や症状の経過、体重の変化、これまでの病歴などを確認し、必要に応じて血液検査や便検査、腹部超音波検査、CTなどを検討します。
油っぽい便や下痢が繰り返し続く場合、特に原因が分からない体重減少を伴う場合は、放置せずに消化器内科へご相談ください。
便は単なる排泄物ではなく、消化管の状態を知るための大切な手がかりです。
毎日見ている便だからこそ、いつもと違う変化に気づけることがあります。
「最近、便が油っぽい」「以前より便のにおいが強くなった」「食事を変えていないのに体重が減ってきた」――そんな変化が続いていませんか?
気になる事がありましたら、受診をオススメします。
当院は、対話を重視した丁寧なカウンセリングをおこない、患者様の気持ちに寄り添った治療を心がけております。
気になる症状がございましたら、お気軽に羽曳野市の内科・消化器内科・胃腸科の「医療法人好友会 ひらたクリニック」へご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修:平田 好正院長
経歴
2007年山梨大学医学部医学科 卒業
2007年星ヶ丘医療センター 臨床研修医
2009年〜堺医療センター 後期研修医
星ヶ丘医療センター 消化器内科
2011年〜春秋会 城山病院 消化器内科
2015年〜大阪医科大学 第2内科
2017年〜春秋会 城山病院 消化器内科 医長
2018年〜春秋会 城山病院 消化器内科 副部長
2019年 ひらたクリニック 開院