偉人と医学の物語 第2回|医療法人 好友会 ひらたクリニック|羽曳野市、古市駅の消化器内科・内視鏡内科・内科

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偉人と医学の物語 第2回

偉人と医学の物語 第2回|医療法人 好友会 ひらたクリニック|羽曳野市、古市駅の消化器内科・内視鏡内科・内科

2026年8月24日

こんにちは。
大阪府羽曳野市にあります、医療法人好友会ひらたクリニックです。

お盆も終わり、通常に戻りつつありますが皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
残暑もまだまだありますので、体調管理・熱中症対策など欠かさずにしてくださいね。

さて本日の医療コラムは偉人と医学の物語第2回をお届けいたします。

偉人はベートーベンです。
良かったら最後までお読みください

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン

「運命はこの扉をたたく。」

誰もが一度は耳にしたことがある『運命』や『第九』を作曲した、ドイツの大作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。音楽史に名を刻んだ彼ですが、その人生は決して順風満帆ではありませんでした。

30歳頃から聴力が低下し始め、晩年にはほとんど耳が聞こえなくなったことは広く知られています。しかし、彼を苦しめたのは難聴だけではありません。

最期の数年間には、全身のむくみやお腹の張り、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)、腹水など、重い肝臓病を思わせる症状が続いていたと記録されています。そして1827年、56歳という若さでその生涯を閉じました。

死因について

現在では、ベートーヴェンの死因として肝硬変が有力な説の一つと考えられています。
当時の医学では、肝臓の病気はほとんど治せませんでした。
19世紀初頭は、まだ医学が大きく発展する前の時代です。
血液検査も、CTやMRI、超音波検査もありません。当然、胃カメラや内視鏡治療も存在していませんでした。
患者さんが黄疸になっても、腹水がたまっても、その原因を詳しく調べる方法はなく、症状を和らげる程度の治療しかできませんでした。

ベートーヴェンはワインを好んでいたとされており、飲酒が肝硬変の一因となった可能性も指摘されています。一方で、近年ではB型・C型肝炎などの感染症や自己免疫疾患、さらには鉛中毒など複数の要因が重なっていた可能性も議論されています。
つまり、「これが唯一の原因だった」と断定することはできません。
しかし、どの原因であったとしても、当時は病気を早期に発見する方法も、有効な治療法もほとんど存在しなかったことは間違いありません。

肝臓は「沈黙の臓器」

肝臓はよく「沈黙の臓器」と呼ばれます。
多少ダメージを受けても働き続けるため、初期にはほとんど自覚症状がありません。
疲れやすい、食欲がない、お酒が弱くなった気がする…。
こうした症状だけでは、「年齢のせいかな」「疲れているだけかな」と見過ごされてしまうことも少なくありません。
しかし病気が進行すると、
・黄疸
・足のむくみ
・腹水
・出血しやすくなる
・意識障害(肝性脳症)
などの症状が現れ、この段階では肝機能が大きく低下していることもあります。
ベートーヴェンが苦しんだ腹水や黄疸も、まさに進行した肝硬変でみられる代表的な症状です。
現代なら、もっと早く見つけられる可能性があります。

現代に生きていたら

現代の医療では、肝臓病は以前とは比べものにならないほど早期発見・治療が可能になっています。
健康診断で行われる血液検査には、

・AST(GOT)
・ALT(GPT)
・γ-GTP

などの肝機能を調べる項目が含まれており、自覚症状がない段階でも異常を見つけられることがあります。
さらに、

・腹部超音波(エコー)検査
・CT検査
・MRI検査
・肝炎ウイルス検査
・肝線維化を評価する検査

などを組み合わせることで、肝臓の状態を詳しく調べることができます。

もしB型・C型肝炎が原因であれば、現在では高い確率でウイルスを抑えたり排除したりできる治療法があります。
また、アルコール性肝障害であれば禁酒や生活習慣の改善、脂肪肝であれば食事や運動による体重管理など、早い段階から対策を始めることで肝硬変への進行を防げるケースも少なくありません。
つまり、現代であればベートーヴェンも、もっと長く創作活動を続けられた可能性があるのです。

肝硬変になる前に見つけることが何より大切

肝硬変まで進行すると、元の正常な肝臓に完全に戻すことは容易ではありません。
そのため重要なのは、「治すこと」よりも「進行させないこと」です。
特に次のような方は、一度肝機能を確認してみることをおすすめします。

・お酒を飲む機会が多い
・健康診断で肝機能異常を指摘されたことがある
・肥満や糖尿病、高脂血症がある
・家族に肝臓病の方がいる
・健診を何年も受けていない

「症状がないから大丈夫」と思っていても、肝臓は静かに病気が進んでいることがあります。

耳が聞こえないという大きな困難を抱えながらも、人類史に残る名曲を生み出したベートーヴェン。

その一方で、もし現代の医療があれば、肝臓の病気をもっと早く発見し、適切な治療を受けられたかもしれません。
私たちは今、健康診断や血液検査、超音波検査などを身近に受けられる時代に生きています。
肝臓は我慢強い臓器だからこそ、「症状が出てから」では遅いことがあります。

未来の自分の健康を守るために、年に一度の健康診断を受け、異常を指摘された際には放置せず医療機関へ相談してください。

ベートーヴェンが命を懸けて残した音楽は、今も世界中の人々に感動を与えています。そして彼の人生は、「病気は早く見つけることの大切さ」も私たちに静かに教えてくれているのかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。第3回のお届けをお待ちください。

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