胃もたれとは？

胃もたれとは、食後に胃が重く感じたり、消化がうまく進まないような不快感を覚える症状のことです。特に脂っこい食事や食べ過ぎの後に起こりやすく、胃の中に食べ物が長くとどまっているような感覚が続きます。一時的なものであれば問題ありませんが、頻繁に胃もたれを感じる場合は消化機能の低下や胃の病気が関係している可能性があります。

胃もたれの原因

胃もたれの原因には、食生活や生活習慣の影響、胃の働きの低下、ストレス、病気などが考えられます。

食生活の影響

• 脂っこい食事（揚げ物、こってりした料理）
• 食べ過ぎや早食い
• 冷たい飲み物の摂取
• 炭酸飲料やアルコールの過剰摂取
• 刺激の強い食べ物（辛い物、酸っぱい物）

生活習慣の影響

• 食後すぐに横になる
• 夜遅い時間の食事
• 運動不足（消化機能の低下）
• ストレス（自律神経の乱れによる胃の働きの低下）

加齢による影響

• 年齢とともに胃の消化機能が低下し、食べたものをスムーズに消化できなくなることがあります。特に高齢になると胃の蠕動運動が弱まり、胃もたれを感じやすくなります。

薬の影響

• 鎮痛剤（NSAIDs）
• 抗生物質
• 降圧薬
• 抗うつ薬

これらの薬が胃の粘膜を刺激したり、消化機能に影響を与えることがあります。

慢性胃炎

胃の粘膜が慢性的に炎症を起こしている状態です。ピロリ菌感染や過度なアルコール摂取、ストレスなどが原因となることがあります。

機能性ディスペプシア（FD）

胃や腸に明らかな異常がないにもかかわらず、慢性的に胃もたれや胃痛が続く病気です。ストレスや自律神経の乱れが影響していると考えられています。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃酸が過剰に分泌されると、胃や十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍ができることがあります。胃もたれのほかに、みぞおちの痛みや吐き気を伴うことがあります。

胃がん

初期の胃がんでは自覚症状が少ないことが多いですが、進行すると胃もたれや食欲不振、体重減少などが現れることがあります。

胆石症

胆のうにできた胆石が消化機能に影響を与え、胃もたれや脂っこい食事後の不快感を引き起こすことがあります。

糖尿病による胃の運動機能低下

糖尿病が進行すると、胃の蠕動運動が低下し、食べ物の消化が遅くなって胃もたれが起こることがあります。

胃もたれの検査方法

上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）

胃や十二指腸の粘膜を直接観察し、炎症や潰瘍、腫瘍の有無を確認します。慢性胃炎や胃がんが疑われる場合に有効です。

腹部超音波検査（エコー）

胆石症や肝臓・すい臓の異常がないかを確認するために行われます。

ピロリ菌検査

慢性胃炎や胃潰瘍の原因となるピロリ菌の感染を調べる検査です。尿素呼気試験、血液検査、便検査などで診断します。

血液検査

貧血や炎症の有無を確認し、胃がんやその他の疾患が関与していないかを調べます。