
便が細い
便が細い
通常、健康的な便はバナナのような形状で、程よい太さと柔らかさがあります。しかし、「最近、便が細くなった」「便が鉛筆のように細い」「すっきり出ない」という症状を感じたことはありませんか?
便が細くなるというのは、排便の形状に変化が起きているサインです。単なる生活習慣の影響で一時的に起こることもありますが、大腸がんや腸の狭窄など、重篤な疾患が隠れている可能性もあります。
便の形状の変化が続く場合は、消化器内科での早期の検査・診断が重要です。
便が細くなる原因には、以下のようなものが考えられます。
これらによって、腸の動きが鈍くなり、便が腸内に長くとどまることで硬く細くなることがあります。この場合、一時的な便の細さで、数日で元に戻ることが多いです。
腹筋や骨盤底筋の弱まりにより、いきみにくくなり、便が細くなることがあります。特に高齢者や出産経験のある女性に見られやすい傾向です。
ストレスが影響し、腸がけいれんを起こすことで、便の形が細くなったり不定期に変わることがあります。IBSは、下痢や便秘を繰り返す症状を伴うことも多く、日常生活に支障をきたすケースもあります。
もっとも注意すべき原因の一つが腸内の狭窄(きょうさく)です。これは、腸の内腔が何らかの理由で物理的に狭くなっている状態を指します。
このような狭窄があると、便の通り道が狭くなるため、細くなって排出されるのです。狭窄の原因には以下のような疾患が含まれます。
便が細い+血便・腹痛・体重減少などの症状がある場合、大腸がんの可能性があります。がんによって大腸が内側から狭くなり、便の通り道が圧迫されて細くなるのです。特に40代以上で便の形状変化が続いている方は要注意です。
良性のポリープであっても、サイズや場所によっては腸内を狭めてしまい、便が細くなる原因になります。ポリープは放置するとがん化することもあるため、早期の発見・切除が重要です。
慢性的な腸の炎症によって、腸管が狭くなり、便の形状に影響を与えることがあります。粘液や血液が便に混じることもあります。
女性に多い骨盤底筋の障害によって、便が細くなったり、出にくさを感じることがあります。肛門の違和感や強い残便感を伴うことも。
過去に腹部手術を受けたことがある方では、腸が癒着して狭くなり、便が細くなることがあります。
便の状態や排便習慣、併発症状、生活習慣などを丁寧にうかがいます。
貧血や炎症、腫瘍マーカーなどのチェックを行い、体内で起きている異常の有無を確認します。
目に見えないレベルでの便中の血液を調べます。陽性の場合は大腸内視鏡検査が必要です。
お腹の内部の状態や便のたまり具合、腸の動きなどを画像で確認します。
便が細い原因を直接観察できる最も有効な検査です。
大腸内にポリープやがん、炎症がないかを確認し、必要があればその場でポリープ切除や組織検査(生検)も行えます。
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