2026年3月02日

こんにちは。
大阪府羽曳野市の消化器内科、ひらたクリニックです。
早いもので2月も終わり、昨日から3月に入りましたね。少しずつ春を感じる気候になってきています。
さて、明日3月3日は「桃の節句」。ひな人形を飾り、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物、ひし餅や甘酒を囲む、華やかな一日です。
けれど消化器内科の目線で見ると――この日は“胃腸の力量が試される日”でもあります。
今日は少しだけ、桃の節句を「お腹の健康」という視点でのぞいてみましょう。
良かったら最後までお読みください。
① ひし餅は、胃腸へのメッセージ?
ひし餅は、緑・白・桃色の三色。
一般には
緑=健康・長寿
白=清浄
桃=魔除け
といわれています。
これを栄養学的に解釈すると――
緑:食物繊維(よもぎ)
白:糖質(炭水化物)
桃:着色の美しさ(視覚的満足)
つまり「バランス」の象徴です。
胃腸が喜ぶのは、極端な制限でも暴飲暴食でもなく、“ほどよい配分”。
よもぎの繊維は腸内細菌のエサになり、腸内環境を整えます。
一方で白い餅の糖質は即エネルギー源。
問題は――量です。
かわいいお祝いだからといって、餅を3個4個と重ねていませんか?重ねれば重ねるほど、もたれるので注意が必要です。
② ちらし寿司は実は“胃に優しい”?
桃の節句の主役、ちらし寿司。
酢飯は消化器的には悪くありません。
酢に含まれる酢酸は胃の働きをサポートし、食欲を刺激します。
ただし注意したいのは――トッピング。
エビ、いくら、錦糸卵、甘辛い椎茸……華やかであるほど、脂質・糖質も増えがちです。
さらに甘酒まで加わると、糖質オンパレード。
“お祝い血糖値”になっていませんか?
特に脂肪肝や血糖値が高めの方は要注意です。
③ はまぐりのお吸い物と胃酸の関係
はまぐりは二枚の殻がぴったり合うことから、良縁の象徴。
栄養学的に見ると、高たんぱく・低脂肪で優秀な食材です。
しかし塩分が強いと、胃の粘膜には刺激になります。
さらに逆流性食道炎がある方は、濃い味付けにも注意が必要です。
ひな祭りの料理は総じて「見た目は可憐、糖質は大胆」。
胃酸過多や胃もたれを感じる方は、量と味付けを見直しましょう。
④ 桃の花とポリフェノール
桃は古来より邪気を払う果実とされてきました。
実際、桃にはポリフェノールが含まれ、抗酸化作用があります。
活性酸素は、胃や腸の炎症、さらにはがん発生の一因とも言われています。
抗酸化食品を上手に取り入れることは、消化管の健康維持にプラスです。
ただし――
「桃ゼリー」や「桃味のスイーツ」では効果は限定的になります。
本物の果実を適量。これが大切です。
⑤ お腹にも“健やかな成長”を
桃の節句は、女の子の健やかな成長を願う日。
では、大人の私たちの胃腸は健やかに成長しているでしょうか?
年齢とともに、
・胃の粘膜は弱くなる
・腸の動きはゆっくりになる
・ポリープは増えやすくなる
特に大腸ポリープは、自覚症状がほとんどありません。
「元気に食べられる=腸が健康」とは限らないのです。
⑥ ひな人形は“早く片付ける”のに
「ひな人形を出しっぱなしにすると婚期が遅れる」
そんな言い伝えがあります。
でも、体の異変は出しっぱなしにしていませんか?
・なんとなく続く胃もたれ
・便秘や下痢の繰り返し
・検診での便潜血陽性
・健康診断の肝機能異常
これらは“片付けるべきサイン”です。
放置しても自然に消えることは、ほとんどありません。
⑦ 桃の節句をきっかけに
行事は、季節を感じるだけでなく、生活を見直す節目でもあります。
・食べ過ぎていないか
・飲み過ぎていないか
・検査を先延ばしにしていないか
桃の節句は「胃腸を大切にする日」にしてみませんか?
華やかな料理を楽しみつつ、翌日は少し軽めにしてください。
ひな人形は一年に一度。
胃腸の点検は、人生を守る行事です。
桃の花が咲くこの季節、
あなたのお腹にも、やさしい春が訪れますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。