結核について|医療法人 好友会 ひらたクリニック|羽曳野市、古市駅の消化器内科・内視鏡内科・内科

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結核について

結核について|医療法人 好友会 ひらたクリニック|羽曳野市、古市駅の消化器内科・内視鏡内科・内科

2025年11月10日

こんにちは。ひらたクリニックです。
今年の夏は猛暑が長く続き、10月中旬まで夏服で過ごすことができましたが、秋を通り越して一気に季節が冬へと進みましたね。
インフルエンザも流行していますので、手洗い・うがいをしっかり行って体調を整えてくださいね。

先日、大阪府内で結核の集団感染が起こったというニュースを耳にしました。
結核は、結核菌によって起こり、人から人へ感染する病気です。
現在、治療薬が効かない耐性結核が増える兆しを見せています。
「結核は昔の病気」と思われがちですが、今でも比較的身近な感染症なのです。
今回はこの「結核」についてお伝えしたいと思います。
よかったら最後までご覧ください。

🔹結核とは

結核は『結核菌』という細菌による慢性感染症です。
患者さんの咳やくしゃみの際に体外へ排出された結核菌は、非常に小さく、なかなか落下せずに空気中を漂っています。
この結核菌を肺の奥まで吸い込むと、小さな病変ができ、肺の入口のリンパ節が腫れた段階で感染が成立します。
感染しても多くの場合は体の免疫力で抑えられますが、吸い込んだ菌の量が多い場合や免疫が低下している場合には『結核症』を発症します。
当初、細い気管支の先端にできた病変が集まって組織が溶け、空洞ができます。
そこから結核菌は気管支を通って肺の他の部分に広がり、リンパや血流を介して全身に拡散していきます。
最終的に肺の組織が破壊され、呼吸困難や他の臓器不全を起こして生命の危機を招くこともあります。

🔹感染経路

結核は空気感染・飛沫感染によってうつります。
結核菌は、人の咳やくしゃみで空気中に放出され、空気中に浮遊した菌を他の人が吸い込むことで感染します。
手を握る、同じ食器を使うといった日常的な接触では感染しません。
ただし、**換気の悪い狭い場所(電車、バスなど)**では、結核菌の飛沫が長く滞留するため、感染のリスクが高まります。
このような場所では、マスクを着用し、換気を心がけて感染を防ぎましょう。

🔹症状

最も多い症状は、2週間以上続く咳です。
また、慢性的な感染症であることを反映して、体重減少全身倦怠感を伴うこともあります。
高齢者や乳幼児では、呼吸器症状がはっきりしないこともあり、そのため診断や治療が遅れることがあります。
また、結核菌が全身に広がる「粟粒結核」を発症すると、菌が侵入した臓器に応じて症状が変わります。
たとえば中枢神経に広がると、頭痛・吐き気・視力障害・けいれんなどが現れることがあります。

🔹検査・診断

主な検査には以下のものがあります。
・胸部X線検査
・ツベルクリン皮膚試験(皮膚反応を見る検査)
・インターフェロンγ遊離試験(血液検査)
活動性結核の診断には、実際に体内に結核菌が存在していることを確認する必要があります。
喀痰や胃液に結核菌が検出された場合や、培養検査で菌が確認された場合に確定診断となります。
培養検査には時間がかかるため、施設によってはPCR法(核酸増幅法)を用いて、遺伝子レベルで結核菌を検出する場合もあります。

🔹治療

結核の治療は、複数の抗結核薬を6か月から9か月間服用するのが一般的です。
症状が出ていなくても、体内に結核菌がいることが判明した場合や、結核を発症した人と接触した場合には治療が行われます。
粟粒結核や結核性髄膜炎などを発症している場合には、より強力な治療が選択され、治療期間も長くなることがあります。
結核は慢性的に経過する病気のため、治療中は薬の副作用を理解し、医師の指示に従って服薬を続けることがとても大切です。

🔹薬剤耐性を防ぐために

再発を防ぎ、薬剤耐性を起こさないために最も重要なのは、処方された薬を最後まできちんと飲み切ることです。
この原則が守られないと、薬が効かない「耐性結核菌」が生まれてしまい、治療が難しくなります。

🔹まとめ

いかがでしたか?
結核を防ぐためには、まず皆さまが結核について正しい知識を持つことが大切です。
どのように感染し、どのように治療するのかを理解し、定期的に健診を受けること、咳が長引くときは早めに受診することが大切です。
結核対策は、皆さま一人ひとりの意識と行動にかかっています。
気になる症状があるときは、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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