ヒートショックについて|医療法人 好友会 ひらたクリニック|羽曳野市、古市駅の消化器内科・内視鏡内科・内科

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ヒートショックについて

ヒートショックについて|医療法人 好友会 ひらたクリニック|羽曳野市、古市駅の消化器内科・内視鏡内科・内科

2025年12月08日

こんにちは。
いよいよ12月となり、令和7年も終わりが近づいてきました。朝晩は冷え込み、まさに冬将軍の到来を実感する季節ですね。皆さま、体調は崩されていないでしょうか。

寒くなると、私たちの体では血管が縮こまり、血圧が大きく変動しやすくなります。
この季節によく耳にする「ヒートショック」も、その血圧の急激な変化が大きく関係しています。
ニュースでは“お風呂での事故の原因”として紹介されることが多いですが、実はお風呂だけで起こる現象ではありません。
今回は、消化器内科を受診される方にも知っていただきたい「ヒートショック」の基礎知識と予防策についてお伝えします。

◆ヒートショックとは

ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧が大きく上下し、身体がダメージを受ける状態をいいます。
血圧が急に上がったり下がったりすると、めまい・ふらつき・立ちくらみなどの症状が起こり、さらに重い場合には失神や脳・心臓のトラブルにつながることがあります。
冬場に発生が多いのは、暖かい部屋から寒い場所へ移動する機会が増えるためです。中でも以下の場所は特に注意が必要です。
浴室・脱衣所:暖房がない場合が多く、居間との温度差が大きい
トイレ:短時間でも寒い空間に移動することで血圧が変動しやすい
「ヒートショック=お風呂」というイメージが定着していますが、寒暖差があればどこでも起こり得る現象です

◆ヒートショックになりやすい人

以下の特徴に当てはまる方は、特に注意が必要です。
●65歳以上の高齢者
●高血圧・糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病がある
●肥満・不整脈・睡眠時無呼吸症候群がある
●浴室や脱衣所に暖房設備がない
●熱いお風呂・一番風呂が好き
●食後・飲酒後・薬を飲んだ直後に入浴することがある
●帰宅直後の身体が冷えた状態で入浴する
●30分以上湯船につかることが多い
これらに該当しない人でも、体調がすぐれない時や疲れている時などにはリスクが高まるため油断は禁物です。

◆初期症状と警告サイン

ヒートショックの初期には、以下の症状がみられます。
●頭痛・めまい・ふらつき
●吐き気
●視界がぼやける
●耳鳴り
●急な冷や汗
●動悸や胸の圧迫感
●息苦しさ
●手足のしびれ、力が入りにくい
これらを感じた場合は、すぐにその場を離れて座る、もしくは横になるなどして安静にすることが大切です。無理に動こうとすると、意識を失った際に転倒し、けがにつながる危険があります。

◆重症化のサインと緊急性

次の症状がある場合は非常に危険な状態です。
●意識が朦朧とする
●言葉が出にくい
●激しい頭痛・胸痛
●呼吸が乱れる
●入浴中に反応がない、浴槽で動かなくなっているなどの状況も、迷わず 119番通報 が必要です。
ためらわず早めに救急要請をすることが命を守るポイントです。

◆ヒートショックを防ぐための予防策

温度差をなくし、血圧の急な変動を防ぐことが予防の基本です。
1. 脱衣所・浴室を暖める
入浴前に暖房器具を使用しておくと効果的です。
浴室は「蓋を開けたままお湯をためる」ことで湯気が室内に広がり、温度が上がります。入浴中は換気扇を止めるとさらに保温効果があります。
2. かけ湯をして身体を慣らす
いきなり湯船に入るのではなく、手足など心臓から遠い場所からかけ湯をしましょう。
3. お湯は40℃前後、つかる時間は10分以内
熱いお湯は体温の急激な変化を招きます。
のぼせや失神を防ぐためにも、ぬるめのお湯で短めの入浴が安全です。
万一のため、浴槽のふたを体の前に置いておくと、寄りかかれて安心です。
4. 湯船からはゆっくり立ち上がる
急に立つと血圧が急降下します。手すりがある場合は利用しましょう。
5. 入浴前後の水分補給
脱水は血栓のリスクを高め、脳梗塞・心筋梗塞の原因になります。
コップ1杯の水やスポーツドリンクで水分補給を行いましょう。
6. 食後・飲酒後の入浴は避ける
食後は消化に血液が集中し血圧が下がりやすくなります。
飲酒後は判断力が低下し、血圧も変動しやすく危険です。
どちらも1時間以上あけて入浴するのが安全です。

◆まとめ

ヒートショックは冬に多いものの、夏でも冷房による温度差で起こることがあります。
特に高齢者や生活習慣病のある方はリスクが高いため、日頃から対策を心がけましょう。
ヒートショックの多くは、事前の予防で防ぐことができます。
少しの工夫で安全に入浴を楽しめますので、ぜひ今日から取り入れてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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