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好酸球性食道炎とは

こんにちは。

今年も残す所あと2週間になりましたね。年末へ向け準備は出来ていますか?やり残した事は無いですか?もしあれば早めに取り掛かっていきましょう。

さて今回は皆さん聞き馴染みの無い病名だと思いますが、好酸球性食道炎という少し珍しい病気をお伝えしようと思います。

好酸球性食道炎とは

好酸球性食道炎とは、アレルギーを起こしたときに出現する白血球の一種である好酸球が、食道の粘膜に集中し慢性的に炎症をおこすことで起こる病気です。アレルギーによっておこるものなので、別名「アレルギー性食道炎」とも言われています。

2000年代には非常に稀な疾患とされていましたが、徐々に有病率は増えていて、日本における有病率は全人口あたり0.4~0.5%程度と推定されています。欧米では有病率がかなり増えていますので、日本でも今後増えてくる可能性があります。

症状

好酸球性食道炎は無症状の方もおられますが、慢性的な炎症が起こることで食道の機能が障害され、下記のような症状が出ます。

  • 胸やけ症状。
  • のどのつかえ感。
  • 飲み込みにくさ。
  • 嘔吐
  • 胸部の痛み

この症状は逆流性食道炎ととても似ています。逆流性食道炎と診断されお薬を飲んでもなかなか治らない場合は、この好酸球性食道炎の可能性もありますので、胃カメラ検査をする事をオススメいたします。そして、好酸球性食道炎が長期間持続すると、炎症によって食道が狭窄を来し食べられない・食べても吐いてしまうといった食事の通過障害が発生することもあります。

診断

好酸球性食道炎は以下のことによって診断されます。

  • 食道の働きの低下を示す嚥下(えんげ)障害や食事のつかえ感などの症状がある。
  • 胃カメラで食道から組織を採取し、顕微鏡で観察すると好酸球が多数集まっている。
  • 食道に好酸球が集まる他の原因を除外する。

食道に好酸球が集まる病気には、好酸球性食道炎以外に好酸球性胃腸炎、好酸球増多症候群、薬剤が原因となるもの、炎症性腸疾患などがありますので、これらを区別することも大切です。

治療方法

薬剤による治療が必要と判断された場合、最初に用いられるのは胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)です。この薬は逆流性食道炎や胃・十二指腸潰瘍でも用いられ、比較的安全性の高い薬です。胃酸の分泌を抑えることで、食道のバリア機能が改善してアレルギー反応を抑える効果があると考えられており、服用によって約6~7割の患者さんは症状や食道の炎症が改善します。

プロトンポンプ阻害薬で効果がない場合は、喘息で用いられるステロイド吸入薬を、吸入するのではなく、飲み込んで食道に付着させる、局所ステロイド治療を行います。
この2つの治療で多くの方は病状が安定します。

海外では、小麦、乳製品、卵、大豆、ナッツ類、魚介類の6種類の食事を除去する抗原除去食の摂取によって約7割が改善すると報告されていますが、日本では、あまり行われていません。

 

いかがでしたでしょうか?この好酸球性食道炎は逆流性食道炎と症状が似ていて、よく間違えられる病気でもあります。逆流性食道炎の薬を飲んでいるのに症状の改善が無い場合は好酸球性食道炎かも知れません。気になる方は一度ご相談ください。

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