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消化器管の働き 第3回『胃』


毎日食事を食べるということは、胃がしっかり消化してくれているということです。

たくさん食べるとそれだけ胃にも負担がかかります。皆さんは、胃が痛くなる時はありませんか?そんな胃はどのような働きをしてくれているのでしょうか?

今回消化器官の働きシリーズ3回目は、『胃』について説明してまいります。

胃の働き

まずは胃の働きから説明します。胃は食道と十二指腸の間に存在する袋状の臓器です。食道からつながった部分を噴門、出口の十二指腸とつながった部分を幽門といいます。

胃液には塩酸のほか、ペプシンなどたんぱく質を分解する酵素が含まれています。胃内で消化はさらに進行します。食物が胃内に残っている時間は、食物の組成により異なります。胃に吸収する機能はほとんどありませんが、アルコールは胃から吸収されます。

胃液の役割

胃液は一日に2.5ℓ以上分泌されます。一回の食事でも0.5~0.7ℓもの胃液が分泌されています。胃液の中は、塩酸が含まれていて、pHが1~2程度の強い酸性になっています。ですから、外から侵入したほとんどの細菌は死んでしまいます。

胃液の主な成分は粘液、塩酸、ペプシノーゲンです。それぞれの役割を見ていきます。

・粘液・・・胃壁を保護し、消化をスムーズにする
・塩酸・・・強い酸性で外来の細菌を殺す
・ペプシノーゲン・・・蛋白消化酵素ペプシンのもとになる物質。塩酸によりペプシンとなる

胃液の分泌は合理的

胃液の分泌は食物が入ってから初めて分泌されるのではありません。食べ物を見たり、臭いをかいだり、あるいは食べ物のことを考えただけで、胃液の分泌が増し、胃の運動も盛んになります。これには副交感神経が関与しています。逆に、怒りや悲しみ、ストレス、心配などは、交感神経を介して、胃酸の分泌や胃の運動を抑えます。

胃に食物が入り、胃が膨らんだり、化学的な刺激が加わると、胃液分泌や胃の運動が盛んになります。空腹時には胃の容積はたったの50ml程度しかありませんが、食事をしたりすると1.8Lもの大きさになります。食物塊は胃液とよく混ぜ合わされ、消化が進みます。からしやコショウなどの香辛料、アルコールなどによる刺激でも胃酸の分泌や胃の運動が盛んになります。

胃はなぜ消化されないのか?

食物は胃酸やペプシンなどの働きにより強力に消化されます。消化時間は炭水化物で2~3時間、卵などのたんぱく質で2~3時間、脂肪が多い食物で7~8時間、胃の中で消化されます。米、うどん、そばなどの炭水化物ではすぐにおなかが空くのに対して、洋食のようにたんぱく質や脂肪が多い食物は腹持ちがよいということになります。逆に胃もたれとして感じられることもあります。脂肪の多い食物は、胃の運動を抑制する働きがあります。

このような強力な胃酸やたんぱく質を分解する酵素が存在しているのに、胃そのものが消化されないのはなぜでしょうか。

その秘密は、胃壁の内面をずっと覆っている粘液です。粘液はpH4~7であり、塩酸を中和する作用を持つとともに、ペプシンの働きを抑制します。この粘液の分泌が不十分になったり、胃酸がたくさん分泌されると、胃壁も消化されてしまいます。これが胃潰瘍の原因となります。消化性潰瘍の治療薬として市販されるようになったH2ブロッカーは、胃酸の分泌を少なくし、そのpHをアルカリ側に傾ける作用をもっています。粘液は食物塊の移動をスムーズにする役目ももっています。食物塊は粘液のマットの上を、滑るようにして移動します。また粘液は食物中の成分を覆いこむことにより、胃壁が化学的に障害されるのも防いでいます。

蠕動(ぜんどう)運動

胃の中に食物が入ると、輪状筋が収縮して食べ物を圧迫し、幽門へと移動させるような蠕動(ぜんどう)運動が起こります。食べ物は、胃液と混ぜられ、粥状のどろどろとした状態になります。食物は胃での消化を終えると、十二指腸へと送られます。

蠕動の“蠕”というのは、虫へんがついた随分と難しい字です。“蠕”というのは虫がうごめくさま、ミミズなどがうごめき進むという意味をもっています。腸管の動きを観察した人が、ミミズの這う姿を思い浮かべたのかもしれません。

 

いかがでしたでしょうか?

胃は毎日働いてくれています。しっかり咀嚼をすることで胃の負担は軽減します。日々胃を労わりながら食べることを心がけましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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