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ピロリ菌とは


クーラーがなくても涼しい日もあり、少しずつ秋が近づいてきているのを感じますね。引き続き体調の変化にはお気をつけください。2020年の9月にもお伝えしていますが、前々回の胃炎の流れから、今回はヘリコバクター・ピロリ菌についてお伝えします。

ヘリコバクター・ピロリ菌とは?

ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌でヘリコバクター・ピロリといいます。胃には、強い酸(胃酸)があって、通常の細菌では生息できませんが、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を使って、胃酸を中和しアルカリ性の環境にして胃の中で存在しています。ピロリ菌の感染経路はまだはっきりとわかっていませんが、口を介した感染(経口感染)が大部分であろうと考えられています。ピロリ菌の感染は、衛生環境と関係していると考えられており、上下水道が十分普及していなかった世代の人で高い感染率(40歳以上では70~80%)となっています。

ピロリ菌と関係する病気

ピロリ菌の感染によって胃に炎症が起こり、感染が長く続くと慢性胃炎になります。この慢性胃炎をヘリコバクター・ピロリ胃炎と呼びます。長い期間炎症が続くと、胃粘膜の萎縮や腸上皮下生が起こり、胃がんが発生することがわかっています。

また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発症ならびに再発はこのピロリ菌感染に関係していることもわかっています。潰瘍を発症する人のピロリ菌感染率は80~90%と非常に高いです。日本人のピロリ菌感染者数は、約3500万人といわれています。多くのピロリ菌感染者は、自覚症状がないまま暮らしています。

日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、ピロリ菌に関連する疾患の治療および予防のため、ピロリ菌感染者のすべてに除菌療法を受けることが強く勧められています。

特に胃がんを予防するためにはピロリ菌の除菌が必要と考えられており、早期胃がん治療後にピロリ菌を除菌した方は、除菌しなかった方と比較して、新しい胃がんが発生する確率は明らかに低くなっています。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌の有無を調べる方法には大きく分けて内視鏡を使う方法と使わない方法があります。

内視鏡あり

  • 迅速ウレアーゼ試験・・・胃の組織の一部を採取しピロリ菌が持つ尿素を分解するウレアーゼ酵素の働きを利用して特殊反応試薬に付着させピロリ菌の有無を判定します。
  • 組織鏡検査・・・胃粘膜を採取し染色後顕微鏡でピロリ菌の有無を診断します。
  • 培養法・・・胃粘膜を採取しすりつぶしてピロリ菌の発育環境で培養して、存在の有無を調べます。

内視鏡検査なし

  • 尿素呼気試験・・・検査薬を使用し、服用前後の呼気を採取してピロリ菌のウレアーゼにより作られる二酸化炭素の量を測定して診断します。一番精度の高い検査法です。
  • 抗体測定検査・・・ピロリ菌に感染すると、その菌に対する抗体が体内に作られます。血液や尿に依存するこの抗体を測定して診断します。
  • 糞便中抗原検査・・・便中のピロリ菌の抗原の有無を調べる方法です。

当院では、迅速ウレアーゼ試験、抗体測定検査、糞便中抗原検査を行っています。

ピロリ菌の除菌方法

ヘリコバクター・ピロリ菌感染症と確定した方は、除菌療法をうけるか医師と相談してください。

除菌療法の注意点

以下の項目に当てはまる方は、事前に医師へ申し出てください。

  • これまでに薬を飲んでアレルギーを起こしたことのある方
  • ペニシリン等の抗菌薬を服用時、ショック等の重篤なアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 抗菌薬や風邪薬でアレルギー症状を起こしたことがある方

除菌療法の成功率

ピロリ菌の除菌療法とは、胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬の計5錠を1日2回、7日間服用する治療法です。7日間服用終了後1か月経過してから、糞便中抗原検査を行い除菌ができたかどうか確認します。

正しく薬を服用すれば、1回目の除菌療法の成功率は約90%といわれています。

一次除菌療法でピロリ菌が除菌できなかった場合は、抗菌薬の種類を変えて二次除菌療法を行います。一次除菌療法で除菌ができなかった場合でも、二次除菌療法を行えば、ほとんどの場合除菌が成功するといわれています。ピロリ菌を確実に除菌するためには、指示された薬を必ず続けて服用することが大切です。

自己判断で服用を中止すると、除菌に失敗して治療薬に耐性をもったピロリ菌に変化することがあります。

除菌療法中の注意点

除菌療法の薬を飲むと下痢などの消化器症状、食べ物の味がおかしく感じるなどの味覚異常を起こすことがあります。日常生活に支障をきたすようなときはクリニックへ連絡をいただき受診するようにしてください。

除菌療法後も定期的な胃カメラを受けましょう!

除菌後も胃がんになる可能性はゼロではありません。胃がんの99%はピロリ菌感染者から発生し、除菌療法によって胃がんの発生が3分の1に減少することもわかっています。しかし、除菌に成功した人も未感染者と比較すると、胃がんになる危険性は約50倍あります。早期発見のために胃カメラを定期的に行う必要があります。

 

いかがでしたか?

ピロリ菌感染検査と治療で健康保険の適応を受けるためにはいくつかの条件があります。

ピロリ菌感染による慢性胃炎がある場合に健康保険の適応を受けることができますが、慢性胃炎の場合は内視鏡検査が必須となってきます。バリウム検査で慢性胃炎と診断され、血液検査などでピロリ菌感染は確認できても内視鏡検査を受けなければ除菌療法を健康保険適応で受けることはできませんのでご注意ください。

お困りの場合は、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか?最後までお読みいただきありがとうございました。

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